「百条委の判断」が「最終的に司法」へ 変遷した斎藤氏のパワハラ説明、選挙演説とも矛盾
兵庫県の斎藤元彦知事の疑惑告発文書を巡り、内容の真偽や告発者を処分した県の対応を調べる県議会調査特別委員会(百条委員会)が25日、開かれ、斎藤氏の証人尋問が行われた。告発文書は斎藤氏のパワハラ疑惑を列挙し、訪問先で公用車を降りてから玄関まで約20メートル歩かされたことで、職員を怒鳴ったという事例も挙げていた。 【写真】斎藤氏「ずっと一人ぼっち」雨中の演説で本音ポツリ 8月の百条委員会の証人尋問では、現場で斎藤氏を案内した県幹部が「理不尽な叱責を受けた。頭の中が真っ白になった」と証言。斎藤氏は「知事の動線を確保していなかったため、大きな声でその旨を伝えた」として業務上の指導との認識を示し、パワハラに当たるかは「百条委の判断」と述べていた。 もっとも斎藤氏は、11月の知事選の街頭演説で「20メートル歩かされただけで怒鳴るわけがない」と発言。この日の尋問で委員から「選挙中には『パワハラはなかった』と言っていた」と矛盾を突かれると、「最終的な(パワハラの有無の)認定は司法の場」と言葉を濁し、「暴行罪などに該当するようなことはしていない」と刑法上の論点を持ち出す場面もあった。 また、告発文書では斎藤氏を「おねだり体質」と指摘。百条委が行った職員アンケートでも、斎藤氏が視察先でカニやカキなどを多数受け取ったとの回答が複数あった。県は利害関係者からは食品などを原則受け取らないことなどのルールを新たに定めた。