高校3年生の息子が投資に興味を持ち「NISA」をやりたがっています。高校生からでも始められるのでしょうか?
2022年から高校での金融教育が授業に加わり、若者の間でも投資への関心が高まっています。自分の将来を見越して、資産運用を始めようと考える方も多いでしょう。 資産運用では利益の一定額を非課税にする「NISA」という制度を活用する方も多いですが、NISAには年齢制限があるため18歳未満だと利用できません。 今回は、NISAの年齢制限や未成年にお金を勉強させる方法について解説します。
NISAに年齢制限はある?
NISAとは国が定めた少額投資非課税制度です。投資で得た利益に対して、一定額まで税金がかかりません。しかしNISA口座を開設するには年齢制限があり、1月1日時点で18歳以上の方のみが対象です。 例えば1月2日生まれの人は、誕生日に18歳を迎えても、翌年の1月1日までNISA口座を開設できません。そのため高校3年生でも、誕生日次第ではNISA口座を開設できない場合があります。 ■証券口座を開くだけなら未成年でも可能 NISA口座は1月1日時点で18歳でなければ開設できませんが、証券口座自体を開設するのは可能です。「未成年口座」という形なら0歳でも開設できるため、勉強用に資産運用をするならそちらを開設してもよいでしょう。 ただし未成年口座は、一般口座より取引に制限が課されます。本格的に資産運用を行うなら、NISA口座を開設できる年齢まで待つのも1つの手段です。 ■ジュニアNISAは2023年に廃止された 以前は、未成年者向けに「ジュニアNISA」という制度がありました。しかしこちらは、2023年に廃止されており、現在は開設できません。またジュニアNISAの口座で新たに投資を行うこともできないため、ご注意ください。
未成年で金融リテラシーを学ばせる方法
子どもが投資に興味を持ち始めたことは、金融リテラシーを育むためのよい機会です。しかし、投資はお金が増える可能性がある一方で、減るリスクもあります。 また子どもによっては資産運用にのめり込みすぎる可能性もあるため、若い年齢からお金を投じる行為を危険視する方もいるでしょう。ここからは、未成年のうちに金融リテラシーを学ぶための方法を紹介します。 ■小遣い制を活用する お金の管理を学ぶ第一歩として、小遣い制の活用が効果的です。毎月決まった額を渡し、そのなかで自分の欲しいものを計画的に購入する習慣を身につけられます。 小遣い制の実施方法は、一定期間ごとに固定の金額を渡す「定額制」と、お手伝いの内容に応じてお金を渡す「報酬制」の主に2つです。このうち、お金を計画的に使う能力を身につけるには「定額制」が効果的だといわれています。 ■アルバイトをさせる 学校によっては、高校生のアルバイトを許可しているところもあります。お金の大切さを学ばせるなら、労働の対価として金銭を得る「アルバイト」が効果的です。 自分で働いて得たお金を使うことで、お金の価値や、時間と労力が対価としてどのように返ってくるかを実感できます。またアルバイトを通じて得た収入を貯蓄して、成人後の資産運用に回すことも可能です。 ■家計簿をつけさせる 家計簿をつける習慣を持つことも、金融リテラシーを高めるうえで有効です。日々の支出を記録して収入と支出のバランスを把握することで、実生活に活用できる家計管理能力が身につきます。 近年はスマートフォン用の家計簿アプリも多いため、お子様が家計簿に対して苦手意識を持つ場合はそちらを勧めましょう。