草彅剛と香取慎吾、1000万回以上再生のバズを起こすアイドルとしての力 ふたりのダンスが人の心を掴む理由
グダグダもラフさも……草彅剛と香取慎吾のダンスに宿るもの
草彅のYouTubeチャンネルにアップされた「カンカンダンス」の動画は、「I WANNA BE YOUR SLAVE」の雰囲気とは打って変わって初見ならではのとまどいとゆるさが笑いを誘う仕上がりになっている。 SMAPは、多忙なあまり年々ダンスの振り付けを覚える時間が短くなっていったという話を聞いたことがあるが、そうした無茶振りとも言える状況に追い込まれるほどにエンターテインメントへと昇華できるのも彼らの実力。 グダグダでも面白い。ラフにも踊れる。もちろんビシッとキメることもできる。一曲に対していかようにも魅せられることを私たちはもうすでに知っている。だからこそ「次はこういうふうに踊ってほしい」というリクエストをせずにはいられない。まさに「もっと見たい」、そして「ずっと見ていたい」という気分にさせてくれるのが、草彅と香取のダンス動画にはあるのだ。 ストリートからドームまで。さまざまなステージで観客を喜ばせ、そして自分たち自身も楽しませてきた経験をしている彼らが、SNSという場を賑やかすことができるのは当然のことなのかもしれない。 常にアンテナを張り巡らせ呼吸するようにエンタメを創り上げていく香取。そして「それがすごいことなのかわからない」とマイペースに踊ることを楽しむ草彅。まったく別のベクトルで“自然体”な彼らならではのバランスで“しんつよ”のダンス動画が成立していることに気づかされる。ふたりだからこそ醸し出せるダンス動画を、ぜひとも今後も多くの楽曲で、そして視聴者の声を汲んで多彩なバリエーションで披露してくれることを楽しみにしている。
佐藤結衣