「史上最高の開会式」「インクルージョン革命」海外メディアは非難や抗議が集まったパリ五輪開会式と比較してパラリンピックの開会式を高評価
パリ・パラリンピックの開会式は28日午後8時(日本時間29日午前3時)から行われ、選手らがパリ中心部のシャンゼリゼ通りをコンコルド広場に向かって行進した。先だって開催されたオリンピックの開会式ではその演出がキリスト教を嘲笑したとして、カトリック関係者や右翼政治家などが反発し、脅迫や誹謗(ひぼう)中傷を受けた出演者が告訴する事態に発展したが対照的に世界各地から好評を得る開会式となった。 【決定的映像】東京五輪とパリ五輪の2つの金メダルをデンマークのバトミントン選手がSNSで比較
パラリンピックの開会式は、リオパラリンピックの競泳フランス代表のテオ・クランが、大会マスコットの「フリージュ」だらけのタクシーに乗って登場する映像から始まった。その後、カナダ出身でグラミー賞も受賞している世界的なアーティスト、チリー・ゴンザレスのピアノの演奏からダンス・パフォーマンスが繰り広げられ、開会が宣言され、7機のフランス航空宇宙軍のジェット機がコンコルド広場上空をフランス国旗の青、白、赤のスモークを出しながら飛行。167つの国と地域、4440人の入場行進が始まり、日本選手団は、陸上男子走り幅跳び、視覚障害のクラスの石山大輝選手と、競泳女子運動機能障害のクラスの西田杏選手の2人を騎手に76番目に入場した。全選手の入場行進が終わると、組織委員会の会長、IPC(国際パラリンピック委員会)会長の挨拶が行われ、マクロン大統領が開会を宣言した。 ショーが再開され、最後に5人のパラアスリートによる聖火の点火式が行われ、オリンピックと同じ気球型の聖火が上空へ舞い上がった。 海外メディアはパラリンピック開会式をどう評価したのか。 豪州のテレビネットワークであるナインは「『史上最高の開会式のひとつ』パリ、パラリンピックの華麗なショーを披露」という見出しで伝えた。 史上最高の開会式と評価したのは、豪州代表の競泳選手で、2012年のロンドン・パラリンピックの金メダリスト、アナベル・ウィリアムズだ。 ウィリアムズは開会式の中継番組に出演しており、その中で3時間半にわたって行われたショーに感嘆の声を上げ、「史上最高の開会式のひとつだったと思う」とコメントした。また豪州代表として車いすテニスとバスケットボールで、パラリンピックの金メダリストとなったディラン・アルコットも、このセレモニーにとても目をみはり、心を動かされた。 「この開会式でわかるように、私たちは普通のことをしている普通の人たちであり、ただ自分らしく生きる機会を得たいだけなのだ。スポーツだけでなく人生のあらゆる分野で。それがパラリンピックの象徴だ。私たちは開会式でそれを目の当たりにした。パラリンピックは生活体験の上に成り立っているのだから」 そう語ったという。 英メディアのガーディアンも「パリ・パラリンピック、不和から和合への旅で力強いスタートを切る」という見出しで開会式を高く評価した。 記事では「IPCのアンドリュー・パーソンズ会長がスピーチで『インクルージョンの革命』を呼びかけ、組織委員会のトニー・エスタングエ会長がファンを賞賛するなか、フランスのマクロン大統領は、夜のエネルギーが他の場所に押し寄せる中、大会の開幕を宣言するという最も短い儀式を行うだけのスペースしか残されていなかった」と開会式の感動と熱気を伝えた。
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