農家がドローンスクール かんきつ園地の管理専門 全国初
傾斜地での飛行や散布指導
愛媛県八幡浜市のかんきつ生産法人・ミヤモトオレンジガーデンは2月、かんきつ園地に特化したドローンスクールを開校した。かんきつ農家や農業支援サービス事業者を対象に、農薬資材の選び方や下準備、ドローンの操縦方法などを指導する。代表の宮本泰邦さん(47)によると、「農家がかんきつに特化したドローンスクールを運営するのは全国でも初めて」という。 一般的に、果樹園地では樹高に合わせて高度を変える必要がある、むらのない散布が難しいといった理由から、ドローンの操縦が難しいとされている。導入事例の少なさから、樹園地での操縦に対応したドローン教習所は全国でも珍しい。 同社では、農家やドローンを使った農業支援サービスを展開したい事業者を対象に、かんきつ園地に特化したコースを用意。民間の技能認証を取得していることを前提に指導する。 コースは農家向けと、請負散布を目指す事業者向けの二つ。同社でドローン防除を担当する従業員が講師となり、傾斜地での飛行方法を同社の圃場(ほじょう)で指導する。この他、ドローンに使える農薬の種類や園地の障害物対策、ルート作成の方法なども教える。講習期間と費用は、農家向けが1日・10万円、事業者向けが2日・30万円。 傾斜地でのドローン防除について、宮本代表は「機体の進化でこれまでの課題が解消されてきている」と話す。 同社で使うドローンはDJI社の「T―25」。樹高に合わせて飛行する高さを変えられる他、薬液の噴霧口が改善され、「スプリンクラーと同じくらい広範囲に散布できる」という。
日本農業新聞