経済のさまざまな場面で活用できる「金利感覚」を養おう
銀行預金の金利は長い間、ゼロ%同然だった(写真はイメージ:artswai/PIXTA)
いよいよ「金利のある世界」に戻った日本マーケットだが、シニア世代でもなければ「金利上昇」をきちんと理解できていない投資家が多いはず。そこで、金融ジャーナリストの鈴木雅光氏が徹底解説します。 連載「マネー博士が徹底解説 金利上昇に強くなる!」 の最終回では、金利上昇を生き抜くために重要な「金利感覚」について学びます。「株価」や「為替レート」の日々の動きには関心を持っていても、「金利」についてはあまり関心がないという人は、結構多いのではないでしょうか。 それもそのはずで、金利を収益の源泉にしている金融商品といえば預貯金が中心ですが、日本においては、長年にわたって預貯金の利率が低い状態に置かれており、関心を抱きようがなかったのです。 日銀のデータによると、定期預金1年物の利率の平均値は1995年7月に年1%を割り込んで年0.814%に、2001年6月には年0.1%も割り込んで年0.097%に、というようにどんどん下がっていきました。そして最も低かったのが、2023年4月の年0.013%です。 年0.013%の水準は、もはや金利などないも同然です。仮に100万円を1年運用しても、付利される利息は税引き前で130円。時間外のATM手数料などを支払ったら、たちまち利息は吹き飛んでしまいます。これでは、金利に興味を持てということのほうが無理な話でしょう。
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鈴木 雅光