「玄関の前に貼れない情報はネットにも書かない」 学年別、小学生からのネットリテラシーの伸ばし方
これからますます進化するネット社会を生きる子どもたちにとって、インターネットとどう向き合い、活用していくかは大切な課題です。学校でも情報活用能力の指導が行われていますが、限られた時間や環境の中で、必要なことをすべて学べるわけではありません。とりわけ「ネットリテラシー」と言われるスキルは、保護者のかたのサポートにより早いうちから家庭で取り組むことが重要になります。 今回は、学年別のネットリテラシーの伸ばし方について、全国の学校や企業でネットリテラシーに関する講演を行っている、国際大学GLOCOM客員研究員 小木曽健さんに伺いました。
ネットリテラシーを家庭でどう伸ばす? 学年別に解説!
【小学2年生以下の場合】 小木曽:ネットリテラシーを学ぶためには、ここまでお伝えしてきた情報の本質や、情報によって深刻な事件や事故が起こりえることを理解する必要があります。 ただ低学年でそこまで理解するのは難しいので、情報の扱い方の前に、情報機器そのものの正しい使い方を伝えることから始めましょう。 操作方法はもちろん、家族で決めた利用時間の約束を守る、使ってはいけない場面(食事中など)を知るといった、生活のルール面からスタートしてください。タブレットもゲーム機も、ペアレンタルコントロール機能を積極的に活用し、約束を守れない場合は機能を止めるなど、毅然とした対応が重要になります。 また端末を濡らす、押し付ける、ランドセルに押し込んで曲げてしまうなど、どうすれば破損してしまうかもしっかり伝えましょう。その破損がバッテリーにまで及ぶと発火する恐れもあります。そのリスクもしっかり伝えてあげて下さい。
【小学3・4年生の場合】 小木曽:この年頃の子どもは、ネット上の情報を、大人以上に素直に受け止め、信じてしまいます。身近で分かりやすい例えを使いながら、ネットを使う際の初歩的な注意事項を教えましょう。 以前、オートバイ好きの男性が、アプリを使って自分を女性化してSNSに投稿、大人気のアカウントになったことがありました。もちろん冗談でやったことですが、多くの人はそれに気が付きませんでした。こういった「事実と全く異なる情報」の具体的な例を挙げ、ネットの情報すべてをそのまま受け入れることのリスクを伝えることは重要です。 また、ある場所を撮影した写真を見せ「ここがどこかわかるかな?」と聞いてみるのも良いです。「ここはマンホールの柄が××だから〇〇だよ」「背景にお店の名前が写っているよね」など、映り込んだ情報から場所を特定されかねないことを伝えましょう。 ネットには「本当の顔をしたウソ」があること、ネットは「載せたつもりのない情報も伝えてしまう」ケースがあること、これらを伝えておくことは非常に重要です。