「終生一記者」貫く…渡辺恒雄主筆死去、提言報道や戦争責任追及を主導
12年に「反ポピュリズム論」を刊行したように、ポピュリズム(大衆迎合主義)の蔓延(まんえん)には危機感を強めていた。SNSを通した偽情報、中傷の広がりも憂えていた。抑制するには、「教養の基盤」である活字文化の維持こそが欠かせない、との信念は揺るぎなかった。
渡辺氏はこう語っている。
「こうした弊害と戦って、子どもに正常で健康な教育を受けさせ、生活情報や国際情報を含めたすべての情報を体系的、正確なもので、強化していくためには、どうしても活字文化が必要であり、これから活字文化は、ネット情報と戦って、本来の役割を取り戻さなくてはなりません。それが我々新聞人の使命であると思います」(18年1月、読売新聞販売店の所長会議で)