一歩下がって一歩進む。周冠宇、ザウバーF1は「2022年のパフォーマンスレベルに戻れる」と確信
周冠宇は、来る2024年シーズンに“ステークF1”として装い新たに挑むザウバーが、2022年シーズンと同様の「パフォーマンスレベルに戻ることができる」と語った。 【ギャラリー】メルセデスからBMW、アルファロメオ、そしてアウディへ。F1界の”世渡り上手”ザウバーのマシン5選 2023年シーズンまでアルファロメオとしてF1に参戦したザウバー。現行テクニカルレギュレーション導入初年度となった2022年シーズンは周とバルテリ・ボッタスのコンビでコンストラクターズランキング6位を獲得したものの、翌シーズンは激しい中団争いに太刀打ちできずにランキング9位に終わった。 しかしザウバーは、次世代レギュレーションが導入される2026年からアウディのワークスチームとしてグリッドに並ぶこととなっており、ビッグネームの到来を前に技術部門でいくつかの改革を実施。昨年9月にはマクラーレンからの移籍となった、ジェームス・キーがテクニカルディレクターに就任した。 motorsport.com 中国版のインタビューに応じた周は、チームが2022年のパフォーマンスレベルに戻ることができると確信しており、彼がF1参戦3年目を迎え経験を積んだことで、2年前よりもボッタスに接近することができると語った。 実際、周はF1ルーキーイヤーとなる2022年にチーム合計の49ポイント中6ポイントしか獲得できなかったが、2023年には16ポイント中6ポイントを稼いだ。 「これまでの開発の推移は、まだ僕らが期待していたモノと一致している」と周は語った。 「3日間のテストを含む開幕前の準備で、シーズン全体に向けてより良い方向性を定めることができるといいね」 「チーム本部のスタッフ、特に技術部門は常に人員が追加され、調整されているし、より良く、より完成されたチームになることを願っている」 「僕はチームを信頼している。(チームは)僕のルーキーシーズンのようなパフォーマンスを取り戻せると思う」 チームは2023年シーズン、どこで失敗したのか? そして2024年に向けてチームは改善すべき箇所をいつ特定できたのか? と訊かれると周は次のように答えた。 「実は、2023年シーズンのサマーブレイク頃には、すでに(開発の)方向性は明確になっていた。マシンにはグリップが無かったんだ」 「まず、気温や路面グリップが低いと、他のチームよりもタイヤ温度の面で改善できるマージンが少ないことが多くて、セクター1~2でパフォーマンスを発揮できなかった」 「そして、2022年シーズンよりもコーナーでの(ステアリング)修正の頻度が多くて、予期せぬオーバーステアやアンダーステアが出るなど、マシンには不安定だった」 「これらはジェームスにフィードバックしているよ」 2024年は、2019年以来初めて中国GPが開催される予定だ。周は中国出身ではあるものの、キャリア初期からヨーロッパで活動してきたため、今回が初の母国レースであり、初の上海インターナショナル・サーキットでのレースとなる。 「ホームレースが上海で開催されるのが本当に嬉しい。あそこではレースもテストもしたことがないけど、ホームでレースができるというのは楽しみだ」 「F1での2年間を(中国GPが開催されないまま)過ごすというのは少し残念だったけど、2024年にようやく、故郷でレースをするというささやかな僕の願いを叶えることができる」 なお、ステークF1チームは2024年マシンC44を2月5日にイギリス・ロンドンで発表する。
Frankie Mao