枕が高いと脳卒中になる…?千鳥ノブらお笑い芸人が罹患!40代男性に多い「殿様枕症候群」の危険性
「枕を高くして寝る」と言えば、何の不安もなく、安心して寝ることを指すが、じつは脳卒中の一因となる「特発性椎骨動脈解離」につながる危険な行為であることを、国立循環器病研究センターの研究チームが発見した。 かまいたち山内も試して3カ月で8㎏減 糖尿病治療薬を健常者がやせ薬として服用する本当のヤバさ 「特発性椎骨動脈解離」とは一体、どのような病気なのか――。 お笑いコンビ「千鳥」のノブは’22年8月、42歳のときに右側の椎骨動脈解離のため入院したが、実は9年前の’13年2月にも左側の椎骨動脈解離で入院していたことを、<そのままほっといたら脳動脈が破裂してゾッとする事になってました>とツイッター(現X)で明かしていた。 <何より早期発見が助かりました!この脳動脈解離は知られてない事から偏頭痛か二日酔いかなと思われ放置されて危険な事になる病気らしいです、中年に多い病気です、普段頭痛しない人が痛み感じたら検査行って下さい> 他にも、加藤茶、ダイアン・ユースケらも過去に椎骨動脈解離を発症。いずれも経過は良好で、特に手術することもなく1ヵ月ほどの休養期間を経て、無事仕事に復帰している。 日本人が「寝たきり」になる原因の第1位は脳卒中だ。脳の血管がつまったり破れたりすることで脳の血管に障害を起こす病気の総称であり、主に脳の血管がつまる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」、脳の血管にできた脳動脈瘤と呼ばれるこぶが破裂する「くも膜下出血」、一時的に脳の血管がつまる「一過性脳虚血発作」がある。 一方、特発性椎骨動脈解離は、首から脳に血液を送る2対の動脈のうち、首の後ろの骨の中を通る椎骨動脈で起こる。「特発性」とは その疾患の発症の原因が特定できないという意味で、同センターのプレスリリースにも「発症予防のための原因究明が求められていましたが、約3分の2の患者さんでは原因不明でした」とある。世界で最も多くくも膜下出血の手術をしたことでギネスブックにも掲載されている脳神経外科医の佐野公俊医師は次のように説明する。 「動脈の壁は内側から内膜、中膜、外膜の三層構造をしています。このうち内膜と中膜の間に亀裂が入って血液が入り込み、血管が裂けていく状態が動脈解離です。その過程で内膜に血栓(血の塊)ができれば脳梗塞、解離が中膜筋層を超えてしまうと外膜だけでは血圧を支えきれずに出血し、くも膜下出血になります。動脈解離は全身の動脈に起こりますが、頭部では椎骨動脈の解離が最も多いのは、首の動きが他の場所よりも大きいからでしょう」 代表的な症状は、首の痛みや激しい頭痛だ。但し軽症の場合は、単なる「寝違い」や「肩こり」と思い込んでいるうちに自然治癒することがある。患者は40代男性が多いが、働き盛りの年代ゆえ、疲労のせいと自己判断して悪化させてしまうケースも多い。ノブが自身のXで紹介した「普段頭痛しない人が痛み感じたら検査行って下さい」というコメントは的確な注意喚起と言えるだろう。