家事アドバイザー・山崎美津江「安かったから」「あったらいいかも」は理想のイメージからピントが外れる最大要因。それで買い物すればするほど、現実からズレる
就職、結婚、子育て…。ライフステージが変われば、住まいも生活時間も、そしてお金の使い方も一緒に変わらざるを得ませんよね。実際、自分なりのやり方でその都度しっかり見直してきたというのが「スーパー主婦」としてメディアでも活躍する山崎(正しくは立に可)美津江さんです。家とは希望が叶い、いつからでも新しくなれる場所だと話す山崎さんいわく「何事もイメージと現実の兼ね合いが大切」だそうで――。 【写真】2つある「衣」の棚のうち、玄関寄りの方に夫婦2人の靴を収納。メッシュのケースは、箱より通気性と視認性がアップ。靴の数はここに入る分だけ。 * * * * * * * ◆「モノの持ち方、しまい方」に筋道をつける 物は多すぎても少なすぎても物理的、心理的に人を束縛します。そこで考えたいのが「モノの持ち方、しまい方」。 「仕えて舞う」と書いて「仕舞(しま)う」と読むのは「次にお役に立つように」という意味だと私は捉えています。 例えばしまう場所が離れすぎていたり、取り出しにくかったりすると、だんだん使わなくなる。次に使うときのことを考えてしまわないと、物も本来の役割を全うすることなく終わってしまうのです。 置き場所の方程式があるとしたら「使用頻度」×「動線」のかけ算。 書類を例にとると不動産契約書や年金証書、パスポートは重要度でいうと最高ランクですが、使用頻度は低い。だからしまうのは引き出しの奥の方。 逆に健康保険証や取り扱い説明書、学校関係の書類など使用頻度が高いものは、取り出しやすいように引き出しの手前に置くのが鉄則です。
◆筋道が立つと好きなことをする時間も自然に持てる この考え方は家中の置き場所で応用できます。 数年前にミシンを買い替えたとき、キャスター付きのワゴンに付属の道具と一緒にしまってみようと思い立ちました。普段は納戸に入れておき、使うときはワゴンごとリビングまで移動させ、ワゴンの天板を広げて使うという算段。 実は前のミシンが壊れたとき、新しく購入するかどうか迷いました。でも取り出すのがラクだと「何か縫おうかな」という気になるんですね。 物のしまい方の筋道が立つと、好きなことをする時間も自然に持てるのだと思います。 “routine”(ルーティン)の語源が“route”(ルート)で、「経路」や「通り道」という意味があるというのは発見でした。日本語にするなら「家事動線」です。
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