「負けたままでは終われない」…柔道・斉藤立、脊髄損傷寸前で復帰に1年 再起へ悲壮な決意
■「親子どうこうじゃない」
同僚の応援で訪れたGS東京大会の100キロ超級では、斉藤の1学年上で全日本選手権王者でもある中野寛太(旭化成)が初優勝。ロサンゼルス五輪に向かう意欲を見せ、全日本男子の鈴木桂治監督は「俺が必ず金メダルを、という思いを持って出てくる選手が一人でも多くいなければならない」と競争の激化を歓迎した。
斉藤は「(柔道を)見てしまったらやっぱりやりたくなるし、きついところもあった」と振り返りながら「柔道したい気持ちを抑えて、焦らず徐々にやっていく」と自らに言い聞かせるように話した。
4年後のロサンゼルスは1984年に父が初めて五輪の金メダルを獲得した地でもあるが、今の斉藤の頭に浮かぶのは父の姿ではない。「もう親子どうこうじゃない。自分の誇りをかけて戦う。五輪で負けたことは脳裏に焼き付いている。俺はこんなもんじゃないと思ってる。負けたままじゃ終われない」。敗北の悔しさと選手生命の危機を乗り越え、さらに強くなって畳に帰ってくるつもりだ。(大石豊佳)
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