長崎・原爆資料館を体験型展示に 四方のスクリーンで核実験映像など 市が素案を初めて提示
長崎原爆資料館(長崎市平野町)の大規模展示更新について検討する運営審議会の会合が18日、資料館であり、市は被爆者の目線に立って学べる体験型展示など、三つの新たなメイン展示を中心とした基本設計の素案を初めて示した。これまでのワークショップで市民から出た要望などを参考にした。会合での意見を踏まえながら、本年度中に基本設計を完成させる方針。 オープン前のコストコホールセール小郡倉庫店内で商品を説明する日本支社長 国内コストコで初めて売り出す商品も 審議会には被爆者や市民ら17人の委員が参加。市は展示のうち、原爆投下の背景や現代の核兵器について展示する「Cコーナー」と、映像資料を上映する「Dコーナー」を大幅に見直す方針を示している。 市は冒頭、今年6~8月に小学生や大学生を対象に全3回行ったワークショップの結果を提示。参加者からは、展示の高さや文字の大きさの工夫、振り仮名や多言語表記の必要性が指摘されたほか、「被爆者の身になって学べる体験コーナーを設置してほしい」などの要望があったことが報告された。 素案では、Cコーナーは(1)二つの世界大戦(2)核兵器の脅威(3)長崎の歩み-の3項目で構成。四方を取り囲むスクリーンに核実験の映像を放映し、核の脅威を疑似体験できる展示や、被爆当時と復興後の長崎市の街並みを見比べることができるジオラマ展示などを新たに盛り込む方針を示した。 Dコーナーについても、現在放映している映像を見直すほか、来館者が感想を残したり共有できる仕組みを取り入れるという。 委員からは「(全体として)『なぜ核兵器がなくならないのか』を念頭に置いた展示にすべきだ」との意見や、「高校生平和大使など若い世代の平和の取り組みも紹介しては」といった声も上がったという。 (竹添そら)