抗がん剤の小児がん患者家族への曝露リスク「医療従事者と比べると対策不十分」…ベッドの柵などに成分
傘下の検討委員会で委員長を務める竹之内直子・京都府立医科大付属病院看護師は「成人のガイドラインにも排せつ物の取り扱いについて記載があるが、子どもはおむつや尿器、おまるを使うなど排せつ方法が異なる」と強調する。
現在、薬の内服や歯磨きなどの口腔ケア、食事といった治療中の場面ごとの対策について議論を重ねている。野田講師は「排せつ物の処理など曝露リスクの高い作業は医療従事者が行うといった配慮や工夫が望ましい」と指摘する。
小児がんは年間2000~2500人が発症するとされる。同学会理事長で、淑徳大の小川純子教授(小児看護学)は「患者の年齢や発達段階に加え、家族の状況や病院の施設的な条件など、考慮すべき事項は多い。難しい議論になると思うが、学会の会員の意見も聞きながら、秋頃に指針案を作成できれば」と話している。