「『チャンスの時間』は西澤ちゃんだからいい」千鳥ノブに救われた西澤由夏アナの意外な“転機”とは
『チャンスの時間』『脳汁じゅ~す』(共にABEMA)など番組でアシスタントMCを務めている西澤由夏。たしかな進行力はもちろん、ときより見せる“いじられキャラ”により、バラエティ番組で強い存在感を放っている。 【写真】西澤由夏の撮り下ろしカット 今回は、営業職から「ABEMA」初代専属アナウンサーに転身した彼女が考えるキャリア形成やバラエティ番組での立ち回り、新たに始めたTikTokについて語ってもらった。 ・直属の上司にも言わず「ABEMA」専属アナウンサーに応募 ーー「ABEMA」専属アナウンサーとして活躍されている西澤さん。サイバーエージェント入社当初は営業職として活躍しておりました。 西澤由夏(以下、西澤):はい。新卒2年目までは、Amebaオフィシャルブログの営業職をしていました。 ーーアナウンサーに転身したきっかけは? 西澤:入社2年目のタイミングで、「ABEMA」(当時は「AbemaTV」)専属アナウンサーの全国公募が行われたんです。応募するために、急いでエントリーシートを書きましたね。 ーー同じような考えの人も、社内にはいらっしゃったのでしょうか? 西澤:うーん。どうなんでしょう。そもそも、わたしは社内の誰にも相談せずに受けたんですよ。当時の直属の上司にも言っていなかったので、ほかの人のことは分からないんですよね。とにかく、はやく応募しなきゃ! の一心で。 ーー実際に、アナウンス室に入られてどうでしたか? 西澤:できたばかりの部署となると、1年目から先輩がいないわけじゃないですか。正直、大変だなと思う場面もありました。アナウンス室のルールも、作っては修正しての繰り返しだったので……。 ーーそれは大変ですね……。いまはどんな感じでしょうか? 西澤:いまも未完成な部分はありますが、それぞれの強みやできることが明確になってきた印象があります。部署の仲間同士でお互いを理解し合えているというのも、昔と違うところかなと思います。 ーー営業職時代の経験が活かされている部分もありますか? 西澤:ありますね。営業職のときも、打ち合わせや会食などで、いろいろな人と会ってお話をする機会が多かったんです。アナウンス職になってからも、さまざまな職種や年齢の方にお会いするので、会話の立ち回り方などは特に気を付けています。自分のアナウンサーとしての基盤は、営業職で身についたものだと思っています。 また、いまはアナウンサーとして「Ameba」のイベント司会を担当させていただく機会があります。形を変えて貢献できていることが嬉しいですね。ただ、それも営業にいた時期があったからこそ呼んでいただけていると思うので、感謝しかないです。 ーー西澤さんは『チャンスの時間』などバラエティ番組に携わる機会も多いと思いますが、バラエティはまた特殊なスキルが必要になってくるのでしょうか? 西澤:必要だということに、やっていく中で気づきました。気づいていない時の昔の自分の出演番組は、見返したくないですもん。たまに、YouTubeで回ってくると、飛ばしちゃいます(笑)。バラエティ番組に携わり始めたばかりのころって、スポーツにたとえると、自分のポジションやルールを知らずに試合に出ている感覚だったんです。 ーーたとえが、俊敏ですね。 西澤:なんていうんだろう。バラエティの仕組みを知らないから、役割を果たせていないことにも気づけていない……みたいな。私はアナウンサーになりたくて、アナウンススクールに通っていた時期があったんですけど、原稿読みやリポートの勉強はしても、バラエティの勉強ってしないんです。 ーーなるほど……。 西澤:だから、ほかのアナウンサーさんたちもそうだと思うんですけど、バラエティに関しては下積みがない状態なんです。あの頃の自分は、何もない状態でものすごい場所に飛び込んだんだなと、今振り返って思います。 ・『週刊ヤングジャンプ』の表紙を飾ったことが転機に ーーアナウンサーとして、明確に仕事の幅が広がったタイミングはいつ頃でしょうか? 西澤:『週刊ヤングジャンプ』の表紙を飾らせていただいた頃ですね。表紙を飾らせていただいた頃から、「ABEMA」以外のお仕事をいただける機会も増えましたし、「いつも見てます!」と声をかけていただける頻度も上がりました。発売されたのは、2年前なんですけど、未だに共演者の方に「ヤンジャン見たよ!」と声をかけていただけたりするので、影響力がすごいなと。もしかして、いまでも売っているのかな? と思います(笑)。 以前、実は番組内での占い企画で、島田秀平さんに「2022年までは勉強です。でも、それ以降は変わっていきます」と言われたことがあって。振り返ってみると、たしかにそうかも! と思うことが多くてびっくりしています。2022年までは「わたしがやってることって、ちゃんと届いているのかな?」という葛藤があったんです。でも、それ以降は「ちゃんと届いている!」という感覚が掴めてきました。 ・「同じ自分で臨まない」ジャンルが豊富な「ABEMA」だからこその課題 ーーほかのアナウンサーさんもいらっしゃるなかで、西澤さんが伸ばしていきたいポイントというのはあるのでしょうか? 西澤:できているかは分からないですけど、“同じ自分で臨まない”というのは、もっと追求していきたいなと思うところです。現在私はニュースを読んだり、バラエティの進行をしたり、スポーツの番組に携わるなど、さまざまなジャンルの番組を担当させていただいており、その番組ごとに適切な対応が都度求められます。だから、番組によって全然違う自分で臨んだ方がいいのかなぁと思っていて。いまも気をつけてはいますが、もっと伸ばしていけたらいいです。あとは、制作陣の意図を汲み取った上で番組に臨めたらと思っています。 ーーそれについては、なにか努力されていることはありますか? 西澤:台本を初稿が上がった段階でもらうようにしています。最終稿になるまでにどんどん見ていくと、「ここが削られているな」「あっ、これが加わっている」というのが分かるんです。ほんの一部分ではありますが、自ずと制作陣の意図が見えてくるような気がしていて。 ーーアナウンス室に配属された当初から、続けられているんですか? 西澤:そうですね。初稿が難しくても、準備稿からは必ずもらうようにしています。ただ、やっていることは同じなんですけど、目的は変化しているかもしれません。当時は、自分にスキルがないから、時間をかけて確認するために初稿からもらっていたんだと思います。今でもそれはありますが、最近になって、「これって、制作陣の意図を読み取ることもできるな」と気づいたんですよね。制作の方からしたら、ちょっと面倒くさいと思うんですけど(笑)、わたしにとってはすごく大事なルーティンになっています。 ・いまでも大切にしている“千鳥ノブからの言葉” ーーアナウンサーになってから、壁にぶつかった瞬間などはありましたか? どう乗り越えられたのか教えていただきたいです。 西澤:ちょうど、担当して3年目くらいのときですかね。『チャンスの時間』で、どう立ち回っていいのかすごく悩んだ時期がありました。「自分って、このままでいいんだろうか?」みたいな感覚です。そのときに、ノブさん(千鳥)が「『チャンスの時間』は、西澤ちゃんだからいいんだよ。この番組には、シュッとしたアナウンサーが入ってきても、なんか違う。西澤ちゃんみたいな子だから、いいんだと思うよ」と声をかけてくださって。ノブさんにいただいた言葉に救われましたね。いまでも、大切にしている言葉です。 ーー今年はTikTokアカウントも開設されました。特に、食べる動画が人気を博していますよね。 西澤:ありがとうございます。ただ、もともとTikTokはダンスをやるために始めたんですよね(笑)。 ーーそうだったんですね。 西澤:はい、高校のときにダンス部に所属していて、ヒップホップを踊っていたんです。ずっと、またダンスをやりたいなという気持ちがあったので、「『TikTok』でやろう!」と思って開設をして。 なぜか食べてばっかりになってしまっているという(笑)。自分でも、びっくりしています。だって、『TikTok』でダンスを踊るために、ダンススクールにまで入会したんですよ。それなのに、食べてばかりいて、月謝だけ払っている状況に……。あの、本当は踊りたいんですよ! それなのに、なぜか食べちゃうんですよね(笑)。 ーーもともと、食べる系の動画を見るのもお好きだったんですか? 西澤:好きですね。人が食べている音を聞くのが好きなので、ASMRとか。ずっと聴いていました。だから、自分もやりたいんですよね。 ーーASMRをされるとしたら、なにを食べられますか? 西澤:つぶ貝ですね! ーー渋い……! 西澤:わたし、つぶ貝がこの世でいちばん好きな食べ物なんです。毎年、ふるさと納税で大量のつぶ貝を頼むんですよ。それを食べながらASMRをやりたいです。あとは、ミニチュアで料理を作りたいなぁ。いまって、ミニチュア料理を作るためのミニチュアキッチンが売っているんですよ。 ーーそんなものが! 西澤:面白いですよね。火とかもちゃんとつくんです。 ーーミニチュアもお好きなんですね。 西澤:昔、ミニチュアのたこ焼きを図工で作ったときに賞をもらったことがあって、それから味を占めているんだと思います(笑)。いつになるかは分からないですけど、またミニチュアも作ってみたいです。私はInstagramやXだと、告知だけになってしまったり、「ちゃんとした文章にしなきゃ」「誤字をしないように気をつけなきゃ」と変にアナウンサーぶっちゃったりするんです。その点、TikTokはラフに投稿できるので、楽しいです。 ーー最後に西澤さんが考える理想のアナウンサー像を教えてください。 西澤:出演するだけにとどまらないアナウンサーになりたいです。ちゃんと、事業や市場を把握した上で、自分がやるべきことを考えられるような。いまはまだなにからすればいいんだろう……状態なんですけど、それができるようになったら、会社員としてもワンステップ上に上がれる気がして。 ただ、営業のときにも苦労したのですが、数字が苦手なんです。勉強しなければいけないことが山積みかもしれません……(笑)。ありがたいことに、そういった分野に強い人が社内にはたくさんいるので、教えていただきながら、理想像に近づいていきたいと思います。
中村拓海、菜本かな