パリ本店ブティックで、マドモアゼル シャネルの人生を辿る。
CHANEL
歴史と物語が詰まった老舗ジュエラーの本店を訪れて! インテリアの意匠、本店でしか見られない美術品レベルのアーカイブ、メゾンを愛し訪れたセレブリティや文化人の残り香など、甘美な世界を堪能できる。 マドモアゼル シャネルが暮らし、息をひきとったホテル、リッツ パリが面するヴァンドーム広場。生前彼女はホテルの部屋から広場を見下ろして、幾たび眼下に並ぶ優美な個人邸宅群を目にしたことだろうか。1997年、シャネルのファインジュエリーの本店の移転先に選ばれたのはホテルのお向かいである18番地だった。その屋根とファサードは歴史建築物に指定されているので、いまも彼女の目に映ったままの姿である。
昨年の夏、大改装が行われた。16年前の改装同様に室内建築はピーター・マリノが担当した。全3フロアからなるブティックに施されたのは、マドモアゼル シャネルの私的な世界の現代的解釈だ。
さまざまなテクスチャーで展開されるベージュ、黒、ゴールドの色調、シャネルでおなじみのツイードを想起させるカーペットや家具の布......そこに洗練と形容するにふさわしいアートピースや家具調度品が配置された空間には、リュクスとモダニティが薫る。
カンボン通り31番地のクチュールメゾン内のアパルトマンにガブリエルが創り上げていた世界のエスプリが21世紀の店内に蘇り、ジュエリーを求めて入ってくる人々をガブリエルの人生の旅へと誘うのだ。
シャネルのジュエリーの歴史は彼女がダイヤモンドコレクションを創作した1932年に遡る。これは彼女の唯一のハイジュエリーコレクションで、発表はフォーブル・サントノーレ通り29番地の邸宅で行われ、その入場料は慈善団体に寄付された。
女性が自由に身体を動かすことができ、女性自身を引き立てるものであるべきというクチュールのクリエイションの基本が、眩く輝くダイヤモンドジュエリーにも表現され、このコレクションのモダニティが現在のシャネルのジュエリークリエイションの大いなるインスピレーション源となっている。