「夫の大手術」決断後押し 最期もみとられ 三笠宮妃百合子さま
三笠宮妃百合子さまが15日、101歳で薨去(こうきょ)された。平成28年に薨去した夫の三笠宮さまは24年7月、96歳という高齢で心臓の大手術を受けたが、この大きな決断を後押ししたのは「宮さまにもっと生きていてほしい」と願われた百合子さまの強いご意志だった。 【写真】お子さま方と写真に納まる三笠宮妃百合子さま 三笠宮さまは、長男の寬仁親王殿下の本葬にあたる「斂葬(れんそう)の儀」に車いすで参列した翌日の同年6月15日、疲労を理由に入院。7月7日、入院先の聖路加国際病院(東京都中央区)で、心機能や腎機能の著しい低下が確認された。 心機能低下確認の4日後の同月11日、原因となっている心臓の僧帽(そうぼう)弁の問題を解消するため手術を受け、8月31日に退院した。 僧帽弁の異常は、弁が十分に閉じないため血液が逆流するもので、呼吸困難などを引き起こす「鬱血(うっけつ)性心不全」を発症していた。手術の6年ほど前からたびたび症状が出ており、病状の進行と医療技術の進歩を考え合わせ、手術の選択肢が浮上したという。 百合子さまは、同様の心臓手術の術後30日の生存率が87%であるとする説明を医師から受けると「手術を希望します」と強い意志を示された。このことが極めて高齢での大手術という決断につながった。執刀医から手術成功の報告を受けた百合子さまは「ありがとうございます」と感謝を述べられたという。 以降、順調に回復した三笠宮さまだが、28年5月に急性肺炎で聖路加国際病院に入院。百合子さまは頻繁に入院先の病室を見舞われた。三笠宮さまが28年10月に薨去した際は、同じ病院に検査入院中だった百合子さまが病室に駆け付けられるのを待つように、息を引き取ったという。