「21世紀は感動を創る側に」 ソニーG、コンテンツ制作支援を強化 IP価値の最大化へ
ソニーグループは、ゲームや音楽、映像など様々なコンテンツの制作を支援する事業を強化する。23日開催した2024年度経営方針説明会で、吉田憲一郎会長CEOは「20世紀までは感動を届ける領域を強化してきたが、21世紀は感動を創る領域に貢献していく」と強調し、強みを発揮できるのは「〝リアルタイム〟で価値を生み出すことだ」と述べた。 【関連写真】経営方針を説明する吉田会長(左)と十時社長 ソニーGは、制作側となるクリエイティビティ(創造)の領域を一層強化することで成長を加速させる。この6年間で約1.5兆円を投じて企業買収などを進め、IP(知的財産)を強化してきた。 吉田会長は「これまで進めてきた投資IPをこれから活用していくフェーズに入る」と述べ、グループシナジー(相乗効果)の発揮に意欲を示した。 23年度のグループ売上高の約6割はエンターテインメント事業が稼いでいる。今後は感動を生み出すコンテンツの強化に加え、コンテンツを生み出すAV機器などのプロダクツ、プロダクツを支えるイメージセンサーという3層で事業連携を図っていく。中でも「リアルタイム」をキーワードにした開発を強化する方針で、吉田会長は、その技術としてCMOSイメージセンサーとゲームエンジンの2つを挙げた。 長期ビジョン「クリエイティブ・エンターテインメント・ビジョン」も公表。十時裕樹社長COO兼CFOは、エンターテインメント領域でのIP価値を最大化するために、センサーやリアルタイム3D(三次元)処理、AI(人工知能)、機械学習といった技術力を生かしていく方向性を示した。 26年度を最終とする第5次中期経営計画を今年度からスタート。利益を重視した成長を柱に据え、3年間の営業利益の年平均成長率10%以上を目指す。 特にIP価値最大化が焦点で、アニメコンテンツ制作のアニプレックスと1300万人以上の会員を抱えるクランチロールの海外配信を核にIPの創出と拡大を進めていく。あわせてクリエイターの育成にも取り組む。
電波新聞社 報道本部