【解明】人気テーマパーク「USJ」の次なる戦略は?「ドンキー」「コナン」海外客にも人気のワケ
■増え続けるインバウンドに対応へ 賃金アップ&海外クルーを積極採用
毎年、変化を続けているUSJだが、アトラクションやイベントだけではなく、パークを支える従業員“クルー”に対しても、新たな取り組みを行っている。 2024年4月から、USJはパート、アルバイトクルーの時給を一律で50円アップ。引き上げ前の1160円~だったものが、現在は1210円~となっている。 さらに、増加するインバウンド客への対応などを見据え、“外国人クルー”の採用もスタート。USJの社員が直接現地に赴き、説明会や面接を実施し、クルーの採用をしている。 2024年に取材したのは「住み慣れた故郷とは違う環境にチャレンジしたい」と『ワーキングホリデー』の制度を利用して来日した、台湾出身のクルー(30)。レストランの接客などで四苦八苦しながらも、強みである台湾語の能力をいかし、インバウンド客の誘導などをこなしていた。 調査会社によると、テーマパーク業界全体では、入場制限が緩和された2022年度以降、売り上げや入場者数はコロナ前の水準まで回復。しかしその一方で、急激な需要回復に対応するため、従業員の確保が急務となっているという。 そうした中、2024年の1年間には約230人の外国人クルーを採用(うち直接雇用が約160人、ワーキングホリデー制度での雇用が約70人)。 出身は8割がアジアで、アメリカやカナダ、ブラジル、フランス、イタリアなどもいるという。使用する言語は、英語や中国語、韓国語が中心だが、クルーの能力次第では、それ以外にも対応しているそうだ。 変化を続けるパーク内でより充実したサービスを提供するため、クルーの確保・育成にも暇がない。
■いよいよ2025年…新たな挑戦は?「常に刺激を提供」
アニメやゲームの新エリア・アトラクションの開業が続き、大きな注目を集めた2024年。「待ってました」「新エリア嬉しい」「他のゲームのエリアも頼む」などといった前向きなコメントが多くみられたのは、USJの人気と努力あってこそと言えよう。 その一方で、「金額が高すぎる」「映画の要素が無くなりすぎて…」「バック・トゥ・ザ・フューチャーにまた乗りたい(バック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライドは2016年に終了)」など、変化し続けるパークに対する批判の声や、昔を懐かしむ声があったのもまた事実である。 今後、2025年4月には、アメリカの「ユニバーサル・スタジオ・ハリウッド」にも、日本のアニメが初上陸することも決まっている。国内はもちろんのこと海外でも、20年にわたって築きあげたクオリティやノウハウをいかしたアトラクション・グッズ・レストランなどを作り上げ、「総合テーマパーク」としての地位を確立、非日常的な体験を提供し続けている。 今後の展望については「世間のトレンドやゲストのニーズに寄り添いながら、様々なコンテンツや新規イベントなどを導入し、常に刺激を提供しつづけていく」そうだ。 たくさんの変革を続けてきたからこそ来場者数が年々増え続け、2年連続で“世界3位”という実績を作り上げてきたユニバーサル・スタジオ・ジャパン。 日本を代表するテーマパークの1つとして、今後も訪れたゲストに“非日常の体験と驚き”を与え続けてくれるだろう。 聞こえてくる批判の声をも糧にー。私たちも関西の放送局として、“世界一位の座を奪った”というニュースを報じる日が来ることを、大いに期待したい。