京都を象徴する「冬の名物」がなくなる? 今冬いまだゼロ、昔は毎日のようにあったのに…
「冬の底冷え」で知られる京都市だが、今冬は氷点下の朝が、まだ来ない。1月6日現在、今冬の中京区の最低気温は0・1度。昭和が始まった約100年前に「当たり前」だった京都市の冬日は、令和のいま、温暖化とともに消えようとしている。 【100年間のグラフ】京都市の冬日、ものすごい減り方 気象庁によると、最低気温が氷点下の冬日は、100年前の1925(大正14)年の京都市で91日間もあった。盆地に位置し、放射冷却現象が顕著なため、冬の間はほぼずっと「氷点下の朝」だった。 10年ごとの年平均冬日数は、25~34年の京都市で74・4日。同時期に59・6日の滋賀県彦根市に比べてかなり多く、現在(2015~24年平均)の山形市(85・1日)や秋田市(69・9日)に匹敵する厳しい底冷えの街だった。 しかし、年を追うごとに冬日は減少していく。京都市の10年ごとの平均冬日数は、1955~64年までは彦根市や京都府舞鶴市より多かったが、65~74年以降は逆転した。特に85~94年以降は大幅に減り、2015~24年は昭和初期の約6分の1にあたる12・6日しかなかった。 京都地方気象台によると、京都市の冬日が彦根市や舞鶴市よりも大きく減ったのは、長期的な温暖化に加えて、都市化の影響が強く出ている。全国的に大都市はその他の観測点より気温上昇幅が大きいという。 また、温暖化の影響として猛暑が強調されがちだが、実は最低気温への影響の方が顕著だ。同気象台によると、京都市は2020年までの100年間で日最低気温が3度上昇し、日最高気温の上昇幅1・4度を大きく上回っている。 京都市の今冬の冬日数は、1月6日現在でゼロ。12月に氷点下を観測しなかったのは、1880年の観測開始以来13回目だが、最近10年で5回あり、近年は珍しくなくなっている。