履正社対滋賀短大付　9回表履正社2死一塁、滋賀短大付エース桜本は最終打者・根岸を二飛に仕留め勝利しガッツポーズする（撮影・上山淳一）

＜高校野球秋季近畿地区大会：履正社1－4滋賀短大付＞◇19日◇1回戦◇ほっともっとフィールド神戸 【一覧】秋季近畿大会・組み合わせ 　波乱の幕開けとなった。甲子園出場経験のない滋賀短大付（2位）が大阪王者の履正社（1位）に逆転勝ち。エース左腕の桜本拓夢投手（2年）が、秋の大阪大会で1試合平均10・6得点の履正社打線を1失点完投で下した。近畿地区は一般選考枠6。これで8強入りとなり、甲子園初出場に大きく前進した。敗れた履正社は来春センバツ出場は絶望的となった。第2、3試合は降雨のため、21日に順延となった。 　　　　◇　　　◇　　　◇ 　滋賀短大付が、春夏通じて初となる甲子園出場に大きく前進した。身長165センチの技巧派左腕・桜本が7安打1失点で完投勝利。最速125キロの直球と外角に変化球を集め、計15のフライアウトを量産。最後は9回2死一塁でチェンジアップで二飛に打ち取り、試合を締めた。「解放感がありました」と揺れるメガホンを眺め、大歓声に身を委ねた。 　参考にしたのは、カブス今永の制球力だ。新チーム発足後、桜本は投げミス減少へコースに投げ分ける練習を繰り返し、手応えをつかんだ。捕手の構え通りに投げ込む基本的な練習を重ね、制球力を養った。 　攻めては1点を追う6回無死満塁で、6番北嶋朔太郎内野手（1年）が左中間を破る2点二塁打を放って逆転に成功。塁上で北嶋は両手で拳を作り、喜びをあらわにした。 　スタンドでは今夏、コミカルなダンスで甲子園を沸かせた滋賀学園の「A列車で行こう」を初披露。全国4強入りした夏の旋風を重ね、木村優汰応援団長（3年）は「滋賀短も注目されたい」と熱いエールを野球部に送った。 　次戦の白星で4強入りを決めれば、来春センバツへの当確ランプも点灯。09年創部の新進気鋭の学校が、新たな歴史の扉を開ける。【中島麗】