J1札幌ペトロヴィッチ監督がラストマッチ コンサドーレを変えた名将「走る、戦う、規律を守る」三原則集大成…8日ホーム柏戦
北海道コンサドーレ札幌のミハイロ・ペトロヴィッチ監督(67)が、7年間の蓄積をラストマッチで見せる。札幌は8日、ホームで柏との今季最終戦を迎える。2018年に就任したペトロヴィッチ監督は今季限りでの退任が決まっており、最後の指揮となる。札幌で迎える246戦目、就任時から徹底してきた「走る、戦う、規律を守る」の三原則を選手がピッチで体現し、勝利をつかんでくれると信じて送り出す。 静かな口調で、ペトロヴィッチ監督がラストマッチへの思いを口にした。18年から歩み続けた札幌での7年間を「7シーズン、1つのクラブで仕事をするのは非常に長い時間。そこまでやった自分自身を誇りに思っている」と振り返った。来季のJ2行きが決まっている中で迎える柏戦になるが「降格に終わってしまったが、我々はその結果に値しないんだという試合を見せないといけない」と勝利だけを見据えた。 札幌の歴史を劇的に変えたのはミシャだった。1年でのJ2落ちは計3度。かつてのエレベータークラブをJ1に定着させた。札幌がJ1で挙げた128勝中、3分の2近くの81勝はミシャによるもの。就任時から徹底してきた信条は「走る、戦う、規律を守る」。ピッチで死力を尽くさないことを嫌い、深めた連係から人もボールも動いて相手を崩し、攻撃的サッカーを根付かせた。 主力選手の流出が続いた上、けが人も重なり、降格圏を抜け出せないまま、シーズンは終わった。身を引く格好にはなったが、最後の戦いでは、培ってきたものを出し、白星へとつなげる。「それぞれの選手が勝手なことを始めてしまうのは、我々にとって一番してはいけないプレー。戦い方は長年積み上げてきたものがある。札幌の強さはしっかりと組織的にやること。それを明日(8日)の試合でもすること」。集大成にふさわしい一体感ある戦いを、見せにいく。 札幌での246戦目、戦い方も立ち居振る舞いも貫き通す。試合中、常にコーチングゾーンの一番前に立ち、声を上げ叱咤(しった)してきた。「まだ1試合、そこに立ち続けて選手とともに戦うことができる。明日も選手と最後まで戦いたい」。思い入れ深い札幌での勝利締めへ、ミシャも死力を尽くす。(砂田 秀人)
報知新聞社