ヴィンゲゴーが山岳で圧巻の走り 後半戦レビュー|ティレーノ~アドリアティコ
ヴィンゲゴーが山岳で圧巻の走り 後半戦レビュー|ティレーノ~アドリアティコ
ティレニア海からアドリア海まで、2つの海をつなぐステージレース「ティレーノ~アドリアティコ」。今年は3月4~10日の会期で催され、海の王者を表すトロフィー“トリアイナ”をかけて戦いが繰り広げられた。個人総合争いは後半ステージに集約され、2つの本格山岳ステージでヨナス・ヴィンゲゴー(ヴィスマ・リースアバイク、デンマーク)が圧倒的な強さを披露。2位以下に大差をつけて初優勝を果たした。
ヴィンゲゴーが山岳2連勝でリーダージャージをたぐり寄せる
個人タイムトライアルやスプリントでしのぎを削った大会前半戦。好調さをアピールしたジョナサン・ミラン(リドル・トレック、イタリア)が個人総合リーダーで、後半戦を迎えることとなった。 大会前半戦のレビューはこちらから。 ミランが総合トップ。ヴィンゲゴーも好位置で追う 前半戦レビュー|ティレーノ~アドリアティコ。 今大会1つ目の本格山岳となった第5ステージ(144km)で、王者がついに腰を上げた。 山岳区間サン・ジャコモまでに集団を統率したヴィスマ・リースアバイクは、上りに入ってアッティラ・ヴァルテル(ハンガリー)とベン・トゥレット(イギリス)が一気にペースアップ。これで集団を総合系ライダーだけに絞り込むと、頂上まで5km以上を残しながらヴィンゲゴーがアタック。フィニッシュまでの29kmを独走に持ち込んだ。 ヴィンゲゴーが先行する間、チームメートのキアン・アイデブルックス(ベルギー)がライバルたちの抑えに回っていたこともあり、着実にリードを拡大。この日だけで1分以上を稼ぎ出し、ステージ優勝と同時に個人総合でもトップに立った。 すると、今大会唯一の山頂フィニッシュである第6ステージ(180km)でも登坂力で圧倒。強力クライマーが逃げを打ち、ボーラ・ハンスグローエが集団のペースを上げようとも、ヴィンゲゴーは冷静に対処。ジャイ・ヒンドレー(ボーラ・ハンスグローエ、オーストラリア)やフアン・アユソ(UAEチームエミレーツ、スペイン)が仕掛けるも、これらをチェックしたヴィンゲゴーが残り6kmで再び独走態勢を築いた。 2日連続のステージ優勝で、個人総合でのリードを拡大。2位のアユソに対し1分24秒差とし、1ステージを残して大会制覇を決定的なものにした。 最終の第7ステージ(154km)はスプリンターの競演で大会のフィナーレ。ソーレン・ヴァーレンショルト(ウノエックスモビリティ)のアタックで混迷の状態となるも、ミランがみずからの脚で差を埋め、最後はスプリントで勝利。今大会2勝目を挙げた。