中日大島のランニング本塁打リクエスト誤審疑惑を巡って非難の声!
ヤフオクドームで6日に行われた交流戦のソフトバンク対中日戦で、リクエストを巡って誤審疑惑騒動が起きた。問題のプレーは4-4の同点で迎えた8回二死で起きた。大島はライトへあわや本塁打の大飛球を放ち、打球はフェンスの一番上部分に当たって大きく内外野の間付近まで跳ね返った。その間に大島は三塁を蹴り本塁へ。カバーに走ったセカンドの明石がバックホーム。ホームはクロスプレーとなり、大島はヘッドスライディング。タイミングは完全にアウトで、土山球審はアウトの判定を下した。だが、すぐに与田監督がリクエストを要求した。 場内には4方向からの映像が流され、最初の引いた映像は審判の影に隠れてよくわからなかったが、センター方向と、バックネット方向からの映像では、大島の左手が先にホームに届き、高谷の最初のタッチは空を切り、突っ込んできた左肩にホームイン後にタッチしているように見えた。「タイミングはアウトだが、実は手が先に入っていた」という、よくあるリクエストで判定が覆るパターンに思えたが、リプレー検証の結果、判定は覆らず、検証の部屋から出てきた責任審判はアウトのジャッジ。場内は異様な雰囲気に包まれ、中日の村上打撃コーチは「おいおいおい!」とあきれた声をあげ、伊東ヘッドも映像を指しながら両手でセーフのジェスチャー。波留コーチは、審判に向かって何やら抗議の声を上げていた。 一人冷静に取り乱すこともなく表情を変えなかった与田監督が印象的だったが、結局、大島の決勝のランニング本塁打は幻に終わり、逆に、その裏に同じようなホームのクロスプレーが工藤監督によるリクエストの結果、アウトがセーフに覆り、2点を勝ち越されての4-6敗戦。中日ベンチとしてはやりきれない思いだっただろう。 複数のメディアの報道によると、責任審判は、試合後、このリクエストの判断について「(判定の)変更に値する確証を得られる映像がなかった」と説明したという。 リクエストのアグリーメントでは、正確なリプレー映像がない場合を想定して、「確認できる映像がない場合は、ファーストジャッジを優先する」ことになっている。 だが、4月21日のヤクルト戦でも「塁審がよそ見してプレーを見ていなかった」という問題に巻き込まれ、セ・リーグに意見書を提出していた中日は、球団として「はい、そうですか」では済まされない。加藤球団代表は、8回終了後にセ・リーグの杵渕統括に電話を入れ「意見書の提出」を打診したところ「リクエストの結果に関しての意見書提出はできない」と断られたという。 「ビデオを取り寄せ、現場審判の事情を聞き、もう一度、連絡をする」という返答があったというが、この日の段階で、連絡はなかった。 「映像で見る限り明らかに手が先にベースに触れている。セーフに見える。私が、直接聞いたわけではないが、報道によると審判は“変更に値する映像が確認できなかった”とコメントしたそうだが、確認できる映像だと思う。アグリーメントでは、リクエストの結果に対して抗議できないことになっているが、意見書を提出できないという記述はない。現場からは、意見書を提出して欲しいという要望も受けている。試合の勝ち負けに関わる大きな判定だっただけにフロントとして何らかのアクションを起こす」 加藤球団代表は“徹底抗戦”の姿勢を明らかにした。