【菊花賞予想】前走の馬体重が510キロ以上の馬は不振! 大型馬が苦戦するのは筋肉の質が原因か
今週の日曜日は、京都競馬場で菊花賞(GI・芝3000m)が行われます。 12年以降の京都競馬場で開催された菊花賞での結果を見ると、498キロ以下の馬が8勝2着9回3着9回と良績を残しています。一方、500キロを超える大型馬は1勝2着1回3着1回。単勝や複勝の回収率も低い数値となっており、苦戦していることが分かります。 【写真】アーバンシックのこれまでの軌跡 人間の世界でも長距離、特にマラソンの場合は筋肉質な選手よりも、スラッとした体型でどちらかと言えば軽量な選手が目立ちます。これは距離によって求められる筋肉が違うためと言われています。 100mや200mなどの短距離では速筋と言われる瞬発力を引き出す筋肉が必要だそうです。一方、マラソンなどの長距離で必要とされるのは遅筋と言われる持久力を維持する筋肉のようです。速筋と遅筋では見た目にも違いがあり、速筋は瞬間的な力を発揮する時に必要なため太くなる性質があるそうです。遅筋は弱い力を持続させるための筋肉であり、速筋に比べると太くなりにくいそうです。筋肉量が多ければ体重は重くなるでしょうし、逆に少なければ軽量になると言えます。 競馬の世界でも同じようなことが言えるのかもしれません。実際、12年以降の京都競馬場で開催された菊花賞では大型馬が苦戦していますし、競馬の世界においても速筋と遅筋が深く関係しているのかもしれません。 ここでは、上位人気が予想される馬の死角となりそうなデータをひとつ紹介します。 【条件】 前走馬体重510キロ以上(ただし、GIで3着以内の実績がある馬は除く) [0-0-0-11]複勝率0% 該当馬:アーバンシック、ショウナンラプンタ、ハヤテノフクノスケ (過去の該当馬:18年ブラストワンピース1番人気4着、16年カフジプリンス3番人気8着) ※特に言及のない限り、データは12年以降の京都で開催された菊花賞(計10レース)を対象にしています。 上位人気が予想されるアーバンシックが該当しました。 12年以降の京都で開催された菊花賞では500キロを超える大型馬が苦戦しているのは先に書いたとおりですが、事前にレース当日の馬体重を正確に知る術はありません。そこで、12年以降の京都で開催された菊花賞における前走馬体重に注目。前走の馬体重が510キロ以上だった馬は14頭出走し、馬券に絡んだのは15年のキタサンブラックのみ。キタサンブラックは皐月賞で3着に好走していましたし、その後の活躍から抜きんでた能力の持ち主であったことが分かります。前走の馬体重が510キロ以上の馬は、他馬を圧倒する能力がなければ好走するのは難しいと言えるかもしれません。 アーバンシックは前走のセントライト記念に510キロの馬体重で出走。そして、これまでのGIでは皐月賞の4着が最高となっていますので、過去の傾向からすると好走に期待するのは難しいと言えそうです。 また、アーバンシックの父スワーヴリチャードの産駒は芝2400m以上の距離では人気を裏切るケースが目立ちます。記憶に新しいところでは今年の日本ダービーでレガレイラが2番人気5着。そしてアーバンシック自身も4番人気で11着と結果を残せていません。スワーヴリチャードは長距離戦で多くの活躍馬を輩出したハーツクライを父に持っていますが、ここまでのスワーヴリチャード産駒の戦績を見る限りでは、本質的な適性はハーツクライとは似ていないのかもしれません。 過去の傾向や血統面から不安要素を多く抱えている印象のアーバンシック。人気で大きなリターンに期待できないですし、配当妙味を考えれば本馬の評価を落とすことも頭に入れておきたいところです。 重賞レースの参考に、是非お役立てください。