「ありがとうな」ディープボンド退厩 ファンが愛した〝特徴的な歩き方〟をまた京都競馬場で…
2024年12月25日、午後3時。有馬記念でラストランを終えたディープボンド(牡7・大久保)が、迎えの馬運車に静かに乗り込み、大久保厩舎を退厩していった。 【写真】「ボンドー!」見送る平子助手 「なんだか、また競馬に行くとでも思っているかのような雰囲気ですね」と微笑んだのは大久保調教師。 その言葉通り、いつもとは違う小さな馬運車にも全く動じず、担当者の脚取りに合わせて素直に中に入る。扉が閉まるまでの間、担当の平子助手は大きく手を振って「ボンドー! ありがとうな」と言葉を贈っていたが、厩舎にいたたくさんの助手さんたちも同じように見送りに出てきて、厩舎の功労馬にさよならとありがとうを告げていた。 「種馬にしてあげられなかったことだけは心残りですが、オーナーの粋な采配で、京都競馬場の誘導馬になれます。さみしいですが、京都なら近いですから、僕らもまた会えますしね。ファンの皆さんが愛してくれたボンドの特徴的な歩き方を、また見せてくれたらなと思います」と締めくくった大久保調教師。 また、ボンドみたいな馬に出会えるように…預けていただけるように、僕たちも日々頑張っていきます──。 最後にトレーナーからつぶやかれたその言葉は、これからの決意のようであったが、何よりディープボンドへの敬意が感じられるものだった。
東スポ競馬編集部