【大学野球】立命大史上初の屈辱…「0勝10敗」を「10勝0敗」にひっくり返すことを誓う主将・竹内翔汰
一塁ベンチに掲示された4部門の目標数値
主将・竹内はこの春、チーム状況が厳しい中でも自らを見失わずに、目の前の一球に集中した。打率.333で初の首位打者を獲得。相手校が不動の四番・竹内を徹底マークしてきた状況下で結果を残したのは、価値がある。「自分としては地力がついたかな、とは思いますが、まだ40パーセントぐらいしか、実力を発揮できていません」。どん欲な左打者である。 「吉田正尚選手(レッドソックス)のように、率を残せて、長打も打てる打者が理想です。しかも、守れて、走れる選手を目指しています」。50メートル走6秒2、遠投100メートルと、攻守走でレベルの高い外野手は「プロ志望」。この秋は打率4割、4本塁打を目指しており、ラストシーズンに立命大を勝利へ導いた上で、希望進路をつかむ戦いが続く。 リーグ戦後、立命大OBの古田敦也氏(ヤクルト元監督)がグラウンドに訪れ、講演が行われた。レジェンドからの言葉は部員の心に響き、巻き返しの秋へ、貴重な時間となった。24年のチームスローガンは「圧倒的王者」。学生野球である以上、グラウンドだけではなく、学校生活・寮生活の充実も図ってきた。技術面では課題克服のため、チームは動いた。
グラウンドの一塁ベンチには、4部門の目標数値が掲示。ピラミッド型になっており、一つひとつ段階を積み重ね、最終到達点を目指す。投手は「与四死球0、チーム防御率1.50」。守備は「守備率10割」。走塁は「シーズン15盗塁、3S(スタート、走路、スライディング)」。竹内の得意分野である打撃は「ライナー、間を抜くヒットを目指す→ファーストストライクをとらえる→簡単に三振しない→チーム打率.280→1試合4得点以上」と、明確な設定が示されている。 4部門のほかに「チーム」の項目もある。 「幹部の行動→4回生の団結→組織としての完成→リーグ優勝」 頂点まで、4つのステップを踏んでいく。2019年春以来のV奪還へ、立命大は主将・竹内を中心に一つの束となって歩んでいる。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール