『潜入兄妹』ついに“幻獣”鳳凰・藤ヶ谷太輔が姿を現す キーワードは“血のつながり”?
“幻獣”の幹部4名のうち、すでに玄武(吹越満)と朱雀(白石聖)、白虎(黒谷友香)の信頼を勝ち取ることに成功した貴一(竜星涼)と優貴(八木莉可子)。幻獣のリーダーである鳳凰に近付くために突破しなければならい残る一人は青龍(桐山漣)。11月2日に放送された『潜入兄妹 特殊詐欺特命捜査』(日本テレビ系)第5話は、青龍からかけられた濡れ衣を晴らすため、そして捕えられた優貴を救うために、貴一はハコの仲間たちと共に青龍を裏切った集金屋のバックにいる“カラス”の正体を突き止めようとするのだ。 【写真】青龍(桐山漣)と話す貴一(竜星涼) ちょうどドラマの折り返し地点を迎えた今回のエピソードで、ついに幻獣のリーダーである鳳凰がその姿を現す。先にこの大きなターニングポイントに触れておくと、鳳凰を演じているのは藤ヶ谷太輔であった。幹部たちがアジトにしている中華料理屋のロケーションも相まって、まるで香港のハードボイルド映画に出てくるチャイニーズマフィアのような貫禄を放っている。今回はラストのみの登場ではあるが、次話以降の後半戦ではがっつりと見せ場が用意されることだろう。 さて、“カラス”をあぶり出すために貴一が画策した一連の騙し合いもさることながら(加えて今回は、そもそも青龍がカラスを見つけだすためにフェイク動画を使って貴一を焚き付けて試していたという、幾重もの騙し合いが重ねられていたが)、先述の鳳凰も含めて後半戦に繋がるであろう要素が出揃ってきたいまのタイミングで、それらを整理していくことにしたい。 まずは前回の“おねだり女子”や今回の“カラス”の一件について、裏で糸を引く“九頭龍”という人物の存在が最重要であろう。始末屋の櫛田(フェルナンデス直行)と幹部たちの通話のなかでもその名前が登場し、玄武たちが何かを思い出すかのようなかたちで遡られた6年前の回想シーン。盃をかわす鳳凰と幹部たちの中央に置かれた骨箱。おそらく5人は誰かの死によって引き合わされたと考えられるわけで、そこに彼らが特殊詐欺をおこなう理由であったり、九頭龍との関係性のヒントがあるのだろう。 そうしたバックグラウンドに関していえば、青龍とその兄である鳳凰の幼少期と思しき回想シーン――燃え盛る家を手を繋いで見つめる小さな兄弟の姿――も、大きく関係していくのかもしれない。今回の劇中で青龍は、“血のつながり”というものに著しく拒絶反応を示している。幼少期のできごとに端を発して犯罪行為に手を染めるのだとすれば、『新空港占拠』(日本テレビ系)における駿河姉妹(高橋メアリージュン・宮本茉由)とも通じて見える。 そして今回の劇中で貴一が入間(及川光博)に助けを求めるものの、上の判断で見捨てられてしまうくだりがある。警察に対するちょっとした不信感が芽生えつつ、それでも一人で助けに来てくれた入間には引き続き信頼を寄せる貴一。この揺らぎと、ハコの仲間たちとの関係性が天秤にかけられた時に、なにかが変わる可能性も捨てきれない。またラストではハコ長の高津(入山杏奈)や鳴瀬(伊藤あさひ)のプライベートもインサートし、さらに青龍のアジトに入間が潜入した際の監視カメラ映像に櫛田がロックオンする。“鳳凰にたどり着く”という最初の目標が成し遂げられる次回から、このドラマは大きく動くことになるのだろう。
久保田和馬