インパクトはPGAツアー級 “規格外”の16歳・松山茉生のスイングを分析
◇アマチュア◇日本ジュニアゴルフ選手権 最終日(15日)◇霞ヶ関CC西コース(埼玉)/男子15歳-17歳(7008yd、パー70)、女子15-17歳(6486yd、パー71)◇武蔵CC豊岡C(埼玉)/男子12-14歳(6811yd、パー72)、◇女子12-14歳(6385yd、パー72) 【画像】2024年「日本ジュニア」を制した西山陽斗と長澤愛羅 台風7号接近のため36ホール競技に短縮された「日本ジュニア」が終了し、8アンダー単独首位で第2ラウンドを迎えた「日本アマ」チャンピオンの松山茉生(まつやま・まお/福井工大福井高1年)は3オーバー「73」。優勝した西山陽斗(四国学院大香川西高2年)に3打差の通算5アンダー5位で終えた。 勝負に負けたとはいえ、松山は高校1年生ながら存在感たっぷりだった。体の大きさ(182cm/88kg)はもちろんのこと、振るスピード感、インパクトの圧力、どれをとっても規格外。中でも驚いたのがPGAツアークラスの破壊的なインパクト音だ。アイアンでもスピンでめくれるような高いボールでグリーンをとらえ、同組で回った久常正樹(久常涼の弟)の父親は「あんなに飛ぶ子は今まで見たことない」と目を丸くしていた。
かくいう筆者も日本アマ最年少覇者(当時15歳344日)を取材したいがために灼熱の霞ヶ関カンツリーまでやってきたわけだから、すでに人を引き付けるオーラを持った選手ということだろう。 このような規格外な選手は、どのようにして生まれたのか? 帯同していた父でありコーチでもある阜司(あつし)さんは「茉生は小学生の頃から飛んでいた」と話す。「3つ上に兄(怜生さん。福井工大ゴルフ部1年生)がいて一緒にゴルフを始めたのですが、やはり兄の方が年上ですから飛ぶじゃないですか。『負けたくない』って思いで、茉生は昔から飛ばしに命を燃やしていました」と振り返る。 年齢を重ねるごとにヘッドスピードは上がり、今は平均56m/s、ボールスピードはマックス86m/sに達するという。その数値はまさにPGAツアーの飛ばし屋クラス。「ちょうど去年の秋に兄がマイナビABCチャレンジに出させてもらってローアマを獲ったんですよ。それでまた火がついて、高校入学までに体を作ろうって」とウエイトトレーニングを始めて、さらに飛距離は伸びた。高校は名門の福井工大付属福井高を選び、ゴルフ部で腕を磨く毎日だという。