約6倍の受注を記録! ホンダ新型「フリード」はなぜ人気? 炎天下でも2列目3列目が極楽! ドライバーも同乗者も疲れ知らずな仕上がりでした
雪道でも狭い市街地でもドライブしやすい
今回は4WDモデルにも試乗したが、そちらは重量が増すことにより、ドッシリとした乗り味になっている。乾燥路においてはその4WDの恩恵はほとんどないが、2月にテストコースを走った印象を振り返ると、かなり走破性が高く改められていたことが印象的。旧型比でリアの駆動力を10%も引き上げることで、トラクションはかなり豊か。急坂の発進でもフロントがブレずに発進。高速域までリアにしっかりとトルクを与えてくれることで、安定感が高かったことも印象的だった。その気になればアクセルで向きを変えられるし、雪道にも出向く方々にはかなりオススメな仕上がりだ。 また、運転席からの視界がかなり広がったところも使いやすい。ピラーやダッシュボードにあった視覚的ノイズを大幅に減らすことに成功した新型フリードは、今回試乗した「港の見える丘公園」周辺の狭い道であっても扱いやすかった。駐車車両をかわしたり、その状況で対向車とすれ違ったりという状況であったとしても、気を遣うことなく駆け抜けることが可能。運転が慣れていない人であってもこれならドライブしやすいのではないだろうか。
このクラスでは異例な2列目上部のエアコン吹き出し口!
魅力に感じたのは走りだけじゃない。2列目以降の快適性が大幅に向上したことも今回のポイントのひとつだ。なんと天井にはサーキュレーターではなく、しっかりと冷気が出るエアコンの吹き出し口がセットされたのである(タイプ別設定)。これは運転席後ろのピラー内側にダクトを入れ込み、天井まで冷気を持って行ったのだ。このクラスのミニバンでここまでやるとは驚きだ。ピラー内側の内装は旧型に対してやや出てしまったというが、その存在が気になるほどではないし、たとえリアのエアコンを全開にしたとしても、耳障りな音がしないところはさすがだ。結果として2列目、3列目に座ったとしても冷気を上から感じられるところが最高だ。 さらに従来モデルからこのクラスでは大きなアドバンテージとなっている2列目のキャプテンシートが進化していたことも感心する。シートの骨格は変わらないらしいが、より深く腰掛けられるようにサポートを改め、一方で座面は前側を15mmほど持ち上がるようにすることで、実質的に座面が伸びたかのような感覚が得られるのだ。ブレーキングでも座面がズレることなくきちんと身体をホールドしてくれるところが嬉しい。そこに座ると、このクルマが基本的には5ナンバーサイズのミニバンであったことを忘れさせてくれるほどの快適性で、ちょっと贅沢な空間だ。乗り心地も豊かで空調も快適。その上で走りはなめらかなのだから、そんな感覚になるのも当然の流れだろう。 こうしたベースがある上で、スッキリとしたデザインの「AIR」と非日常を感じさせる「CROSSTAR」を与えたのだから魅力はさらに高まる。5ナンバーサイズがマストであればAIR一択だが、そこが許されるならオーバーフェンダーでアウトドアテイストが漂うCROSSTARを選択するのもありだろう。ちなみに足まわりもタイヤも基本的な走りに違いはない。欲を言えばCROSSTARならもう少し車高は高く、さらにゴツいタイヤでも履いていてくれたらとも思えたが、あとはユーザー次第といったところだろうか。
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