米、シリア反体制派に包摂的政府支持求める 自動的な権力掌握に反対
Erin Banco [ワシントン 10日 ロイター] - バイデン米政権はシリアのアサド政権への攻勢を主導したシャーム解放機構(HTS)に対し、自動的に権力を掌握するのではなく、包摂的な手続きを踏んで暫定政権を樹立するよう求めた。米政府とHTSの初の接触について説明を受けた当局者2人と議会側近1人が明らかにした。 米国はHTSをテロ組織に指定している。同グループとの接触はトルコなど中東の米同盟国と協調して行われている。当局者の1人によると、バイデン政権はトランプ次期大統領のチームともこの件に関し連絡を取っている。 この当局者によれば、米政府はシリアに正式な統治機構を確立する当面の取り組みを支援するため、HTSにメッセージを送った。直接送ったのか、仲介者を通したのかは不明。 米政府は暫定政権がシリア国民の意思を代表すべきとの立場で、新指導者を選ぶ正式な手続きを経ずにHTSが支配権を握ることは支持しないという。 議会側近によると、一部議員はHTSが米国の一定の要求を満たすことと引き換えに、同グループに関連した制裁を含め、米国の対シリア制裁の解除を検討するよう政権に働きかけている。シリア暫定政府が世界経済とつながりを持ち、国家を再建するのを支援すべきとの見方が一部議員の間で強まっているという。