【自公大幅減】石破政権に衝撃、頭抱えた候補者「みんな『裏金』議員だと誤解された」…最後は「カオス」になった
■ 政権サイド、すでに維新に接触か 衆院選は10月27日投開票され、自民、公明両党による与党は大幅に議席を失うことになった。 【写真】開票速報が伝えられる中、神妙な表情で水を飲む自民党の小泉進次郎選対委員長=27日午後8時24分、東京・永田町の党本部 自公が政権を維持するには基盤強化が不可避となる。無所属議員や日本維新の会、国民民主党などに働きかけ、連立拡大を含め、与党の枠を広げることを検討する。 自民の小泉進次郎選対委員長は27日夜のテレビ番組で自公が過半数(233議席)割れした際の対応を問われ「一人でも多くの方に協力をお願いしていく」と語った。 関係筋によると、政権サイドは維新に対し、27日夜時点ですでに接触を始めたとの情報もある。
■ 「みんな『裏金』議員だと誤解された」 「不祥事もあったが、謙虚で誠実な自民党でありたい」「困っている人、苦しい人のための政治を行う」 選挙戦最終日の10月26日、石破茂首相の東京都内での演説の一節である。「不祥事」とは昨年から明るみに出た自民党派閥による政治資金収支報告書の不記載問題(いわゆる裏金問題)のことなのは言うまでもない。 自民党は多数の衆参両院議員に処分を断行したものの、衆院選では「もう一度、同じ内容をおさらいするかのように争点にされてしまった」(与党筋)。衆院選直前の9月に行われた党総裁選による「追い風」は、瞬く間に「大逆風」に変わり、かくして自民党の議席は大幅に減ったわけである。 自民党の前職議員の一人は、公示直後に「自民党議員はみんな『裏金』をつくっていると誤解している有権者が非常に多いことが分かった」と頭を抱えた。自身は不記載が全くなかったことが分かる内容を配布用印刷物に書き込んだという。 別の若手前職は一貫して無派閥であることと、不記載や「裏金」には手を染めていないとする趣旨を配布物に明記した。
■ 赤旗スクープに反論、そして「もはやカオス」に 追い打ちをかけるように終盤には、不記載問題により非公認となった候補者が支部長を務める選挙区支部に、党が計2000万円の活動費を支給していたと報道された。 ◎しんぶん赤旗「裏金非公認に2000万円 公認と同額 自民本部が政党助成金」(2024年10月23日) 首相は、違法性はないとして「偏った見方に負けるわけにはいかない」と反論。党は「事実を曲解して極めて精緻に誤解を誘導するもの」と明記した通知を候補者らに出した。 他方で非公認となった候補者からは活動費支給に対し公然と「ありがた迷惑」との声が上がった。党内からは「反論するから余計に政治資金が争点となってしまいかねない」との懸念が出た。「もはやカオス」(関係者)との声も漏れた。 このような状況により、選挙期間を通じて自民党支持は一貫して下降トレンドとなった。