東大学長が授業料値上げで学生とオンライン意見交換会…来年度から2割増の年64万2960円検討
東京大学が授業料の引き上げを検討していることを巡り、東大は21日夜、藤井輝夫学長と学生との意見交換会をオンラインで実施した。関係者によると、藤井学長は、学習環境の改善や、経済的に困難を抱える学生への支援を拡大する考えを示し、授業料引き上げへの理解を求めた。
国立大学の授業料は文部科学省令で年間53万5800円を標準額とし、最大20%まで増額できる。東大は2004年度の法人化以降、授業料を標準額に合わせてきたが、25年度から20%引き上げ、64万2960円とすることを検討している。29億円の増収を見込む。
関係者によると、藤井学長は、国からの運営費交付金が抑制された一方、光熱費や人件費などの増大で財務は厳しく、教育プログラムの拡充や実施の断念もあると指摘。授業料の引き上げで「教育環境の改善は待ったなしだ」と訴えた。
学生からは「値上げ以外に財源確保の手段はないのか」といった質問や、「授業料の値上げが、地方の大学に波及することを懸念している」といった声があがったという。
東大教養学部学生自治会が13~19日に実施した投票では、同学部の1、2年生約6000人のうちの約4割が参加し、86%が「授業料値上げ検討のとりやめ」を求めた。