巨人阿部監督「敵地の引き分けって勝ちに等しいと思うし。3勝3敗だと思ってね」6連戦3分け3敗も前向き
◆JERA セ・リーグ 広島0―0巨人=5回降雨コールド=(21日・マツダスタジアム) 【ハイライト動画】巨人降雨コールドで引き分け 6回に小林誠司の犠飛で1点も幻に 巨人が5回裏終了降雨コールドで広島と引き分け、阪神、広島とのビジター6連戦を3敗3分けで終えた。両軍無得点の6回に均衡を破ったはずの小林誠司捕手(34)の犠飛は幻となり、6試合勝利なしとなった。阿部慎之助監督(45)は「3勝3敗だと思って」と敵地での引き分けの価値を強調した。先発の高橋礼投手(28)が5回4安打無失点の好投。3勝目はお預けとなったが、記録上プロ初完投をマークした。チームは貯金1で、23日から9連戦に臨む。 試練のビジター6連戦は思わぬ幕切れとなった。雨のため30分間の中断を経て5回コールドで引き分け。阿部監督は「前向きに考えていこう。負けなかったしね。こういう1週間は長いシーズンやっていればあると思うし」と受け止めた。甲子園で1分け2敗、マツダで2分け1敗で計6試合3分け3敗。「敵地の引き分けって勝ちに等しいと思うし。3勝3敗だと思ってね」とプラスにとらえた。 0―0の6回、先頭の丸が二塁打、佐々木が中前安打。無死一、三塁で小林が大瀬良から中犠飛を放った。その直後、雨が強まり中断、そのまま試合終了となった。イニングが完了していないため、6回表の攻撃は記録に残らず幻となった。19日に続く0―0引き分け。巨人の同一カード3連戦で2度の0―0引き分けは初めての珍事だった。 雨が強まる前に得点の好機はあった。4回1死満塁、小林がセーフティースクイズを試みるも、バントした白球は投手・大瀬良の正面に転がり本塁封殺。「一塁手が後ろに下がってくれていたから。それでコンってやったら、これ1点取れるなと思って。一塁手が前だったらやらせてなかったけど、一塁手(の守備位置)が一塁走者の後ろにいたからね」。続く吉川もフルカウントから左飛に倒れた。 今週6試合で4得点。攻撃陣は生みの苦しみを味わったが、前日20日は27イニングぶり得点となる2得点を挙げるなど12安打。徐々に兆しは見えている。「みんなもう、だんだん上向いてきているし。反省はしっかりして。反省点はバントでちゃんと送れないだけだから。そういうところをね。難しいのは分かってるんだけど。そこを決めてこそ点になりやすいっていうね。そういうのが野球だと思うから」。5回無死一、二塁ではオコエがバント失敗の捕ゴロ。今季の巨人はバント企図数30、成功18で成功率6割はリーグワーストと課題は明確に出ている。 6試合勝利なしで引き分けを挟んで3連敗中だが、それでも9勝8敗3分けで貯金は1ある。チーム防御率リーグトップ1・90の投手陣、内、外野の堅守がチームを支えている。打線は水ものと言われる中、阿部監督が重視する守りが堅いのは、チームとして大崩れする可能性が低いといえるだけに心強い要素だ。 昨年苦戦した甲子園、マツダで勝てなかったが、敵地の独特の雰囲気、ロースコアの接戦続きの中、ビジターでの3分けは先を見据えれば価値がある。「また(東京に)戻って切り替えてね」と阿部監督。23日からは中日3連戦(ひたちなか、東京D)。バントなど細かい部分を修正して仕切り直す。(片岡 優帆) 堀内恒夫Point もったいない試合だったな。4、5回に1点でも取っておけば勝ってたのに。坂本と岡本和が打たない限り、このチームは点が取れないってことだ。そりゃあ、相手も「打たせない」と思って投げてくる。しかし、そういう場面で打つのが3番打者、4番打者だぞ。「今、この状況で自分はどういう打球が欲しいのか」ということを考えれば、どういう球を待って、どういうバッティングをすればいいかが分かる。(真ん中付近の球を打って犠飛にした)小林は利口だったな。 ▼野球規則 7・01 正式試合(抜粋) 【注】正式試合となった後のある回の途中で球審がコールドゲームを宣告したとき、次に該当する場合は、サスペンデッドゲームとしないで、両チームが完了した最終均等回の総得点でその試合の勝敗を決することとする。 〈2〉ビジティングチームがその回の表でリードを奪う得点を記録したが、表の攻撃が終わらないうち、または裏の攻撃が始まらないうち、あるいは裏の攻撃が始まってもホームチームが得点しないうち、あるいは裏の攻撃が始まってもホームチームが同点またはリードを奪い返す得点を記録しないうちにコールドゲームが宣せられた場合。 ◆MLBでは? 米大リーグ(MLB)では07年に規則が改正。試合成立イニングを過ぎて表のチームが同点、または逆転した状態で中断の場合はサスペンデッドゲーム(一時停止試合)が行われるとしている。以前は日没や州の時間制限などが対象だった。
報知新聞社