中村哲さんを描いた絵本「カカ・ムラド」を朗読、功績しのぶ…銃撃から5年を前に福岡県大牟田市で追悼行事
アフガニスタンに水路を掘るなど人道支援に尽くした医師の中村哲さんが、武装集団に銃撃され亡くなって5年になるのを前に、中村さんが暮らしていた福岡県大牟田市の多目的交流施設「えるる」で24日、追悼行事が行われた。 【写真】中村哲さんのことを描いた絵本の朗読に聞き入る人たち
中村さんは、福岡市のNGO「ペシャワール会」の現地代表として活動。2019年12月4日、アフガニスタンで凶弾に倒れた。
追悼行事は、「中村さんは戦禍にあって、医療や水路整備に命をかけた。未来にその功績を伝えなくてはならない」と、交友があった大牟田市の沖牟田龍雄さん(79)らが実行委員会をつくって毎年、開催している。
約100人が集まった会場では、中村さんの人柄や現地での活動を描いた絵本「カカ・ムラド」を、同市の俳優、中西美紗子さんらが朗読。会場を訪れた人たちは、中村さんの功績を改めて確認しながら聞き入っていた。
また、看護師で「ペシャワール会PMS(平和医療団・日本)」の藤田千代子・支援室長が「アフガンの今と未来」の演題で講演。中村さんの死後、現地の人々が自立をめざして活動している様子などを語った。
実行委は23日と24日、同市の文化施設で、中村さんの活動を記録したDVDを上映したり、資料を展示したりした。両日夜には、竹灯籠をともし冥福を祈った。