東芝2016年度事業計画説明会(全文1)新生東芝アクションプランの進捗など
改善計画、改善報告書について
次に改善計画、改善報告書についてご説明をいたします。多少、長くなりますけれども当社にとって大変重要な内容でございますので、少し丁寧にご説明を申し上げたいと思います。 当社は今回の会計処理問題を真摯に受け止め、コンプライアンスの徹底、ならびに全社一丸となった再発防止策の着実な運用と定着を図ってまいります。これらを推進するため、3月15日に改善報告・状況報告書を取りまとめ、公表いたしました。これは日本取引所自主規制法人さまが公表した上場会社における不祥事対応のプリンシプルを参照し、第三者委員会等の調査結果のみに依拠することなく、経緯や背景、構造的な要因等をあらためて当社として分析、防止策の追加要否を検討したものでございます。 「改善計画・状況報告書」では歴代社長別の経営環境や予算統制、業績評価制度の経緯分析を加えました。歴代社長が達成困難な損益改善を求めた背景には、厳しい事業環境の中、当社の財務状態が良好でないことから会社存続に対し強い危機感を持っていたことが上げられます。また、社内外からの評価に対する強いこだわり、加えて営業利益を重視し過ぎたカンパニーに対する業績評価と予算統制にも問題があったと考えます。 また、本来ならば社長の牽制機能を果たすべきCFOや財務経理部門が十分にその役目を果たすことができませんでした。CFOは社長に権限が集中していたこともあり、繰り返された損益改善への要求に対してトップの意向に従うという姿勢から会計上の線引きを明確に行わず、黙認していた場合がありました。今後は指名委員会にCFO選解任同意権を付与するなどを通じて、牽制機能の強化を図ってまいります。 リスク評価という点では不適切な財務報告のリスクへの意識が低く、十分ではありませんでした。その反省を踏まえ、不適切な財務報告につながる端緒の適時把握、対応策の実行、モニタリングを行う会計コンプライアンス委員会を設置いたしました。また、速やかな情報開示に向けて当社では今後、情報開示に当たっての基本姿勢を明確にするとともに、規定整備や情報収集方法の明確化、新たに適時開示を担当する専門組織の立ち上げを含めた情報開示体制の整備を図ってまいります。 こちらはただ今ご説明した内容も含め、発生した事象に対する原因と主な再発防止策の全体像を俯瞰するものであります。赤字で記載している財務管理会計、指揮命令系統見直し、常任監査委員の設置、会計コンプライアンス委員会の設置、情報開示・発信機能の強化が新たな施策でございます。ただいま申し上げました情報開示・発信機能の強化、ならびに財務会計の独立性の確保を目的として、具体的にはここに記載のとおり4月1日付でコーポレートスタッフ組織の再編を行う予定です。新たなこの体制で、会計原則を順守するとともに、適時適切な情報開示を行ってまいります。また、カンパニーの自主、自立化の一環として、コーポレートの営業生産開発機能は縮小し、カンパニーへの移管を進めていきます。 特設注意市場銘柄の指定解除を認めていただくために、このようなスケジュールで改善計画・状況報告書に基づいた再発防止策やモニタリングなどの適切な運用と定着を図っていきます。その進捗につきましては適時公表してまいりますが、特別注意市場銘柄指定から1年経過後の本年9月には、内部管理体制確認書を提出し、審査を受ける予定でございます。