《ブラジル》移住の苦労、重ね合わせ 「Onde as Ondas Quebram」 サントス映画祭で上映
そんな珍しい「茶屋道」という名字だが、日本での親戚探しで鹿児島県枕崎市を訪ねると、枕崎市には同じ苗字の茶屋道さんが溢れていた。「生きていて初めて茶屋道が通じる!」と大きな喜びを感じたという。 イナラ監督はサンパウロ州リベイロン・プレットで生まれ育った。母親は非日系人で、日系社会に関わることなく生きてきた。 「父は7歳まで家庭内でポルトガル語の使用を禁止されていたそうなので、対照的な育ち方をしたと思います。生後8カ月の娘はポルトガル生まれです。移民の歴史はどんどんと複雑化していきますが、歴史を語り継ぐことは自分を知る為にも社会で生きていくにも大事なことなので、語り継いでいきたいです」と笑顔で語る。 同作はこれまでに、オレゴン・ディスオリエント・アジアン・アメリカン映画祭、第47回公式パラレルセレクション映画祭2024、第10回サントス映画祭全国コンペティションショーにノミネートされている。 昨年6月に行われたブラジル日本福祉文化協会主催の文化祭りでも上映された。
イラナ監督は、ロンドリーナ連邦大学ジャーナリズム学科を卒業後、TVグローボ、フォーリャ・デ・サンパウロなどで多くの作品制作に携わった。現在は、自身のプロダクションを立ち上げ、ポルトガルの大学院で映像分野の研究を行っている。 サントスフィルムフェスティバルは、SESCサントス(R. Conselheiro Ribas, 136 - Aparecida, Santos - SP)で開催され、同作の上映券は上映1時間前に無料で配布される。