父が「年金を60歳から繰上げ受給したい」と言っていますが、「長生きすると損」と聞きました。早く受け取れるのは“メリット”ではないのですか? 繰上げ受給の注意点を解説
年金を繰上げ受給する際の注意点
年金を繰上げ受給する際には、在職老齢年金による年金減額に注意しましょう。在職老齢年金は、70歳未満の人が厚生年金保険に加入して働きながら年金を受給する際、収入が一定額を超えると老齢厚生年金が支給停止となる制度です。 年金の支給停止対象となるのは、総報酬月額相当額(給与)と年金の合計額が50万円(2024年度の支給停止調整額)を超える場合です。収入額に応じて年金の全部または一部が支給停止となります。 在職老齢年金は、繰上げ受給した年金に対しても適用されます。繰上げ受給と在職老齢年金により、年金が二重に減額される可能性があるのです。収入額が50万円を超えなければ問題ありませんが、繰上げ受給しながら仕事も続けたいと考えている人は、在職老齢年金に注意しましょう。
年金の繰上げ受給は自分のライフプランに合わせて
年金の繰上げ受給は、年金が減ってしまうことから一見するとメリットがないと感じる人もいるでしょう。しかし、リタイアの時期や保有資産額など、ライフプランは人によって異なります。 現状の生活や老後生活を見据えたときに、できる限り早いタイミングで年金が必要だと感じる場合は、年金の繰上げ受給を検討するとよいでしょう。 出典 日本年金機構 年金の繰上げ受給 日本年金機構 在職中の年金(在職老齢年金制度) 日本年金機構 在職老齢年金の計算方法 執筆者:石上ユウキ FP2級、AFP
ファイナンシャルフィールド編集部