廃盤の絶版部品「燃料コック用の樹脂レバー」を自家工作で複製しよう
旧車ファンにとっては、メーカー欠品=絶版部品=取り扱い中止部品=ゴソウダン部品が年毎に増え、今後も厳しい状況が予想できるが、その一方で、人気モデルで需要が多い部品に関しては、限定生産されるなどの嬉しいニュースもある。しかし、不人気モデルともなると、そんなニュースは皆無。どうしても欲しい時には、ユーザー自身が部品工作することもある。ここでは、取り扱い中止部品となったヤマハ純正部品の複製にチャレンジしてみた。 【画像】絶版部品の複製工程をギャラリーで見る(17枚) 撮影協力/モデルクリエイトマキシ 文/Webikeプラス たぐちかつみ
小物部品なら「型取くん」が使える!?
バイク用品のデイトナから発売されている「型取くん」(パッケージは旧型商品)は、小物樹脂部品を複製する際には大変使い勝手が良い。温めれば再び柔らかくなるので再利用できる、低温反応タイプのポリエチレン樹脂製だ。90℃の熱湯でグニャグニャになる。
各種フィギュアファンに利用者が多いハイキャスト
もはや秋葉原のみではなく、自作フィギュアファンのあいだでお馴染みかつ必須アテタムのハイキャスト。無発泡ポリウレタン樹脂なので、硬化後の強度と耐ガソリン性能はある程度大丈夫だと考えられる!?主剤と硬化剤のA液とB液を1セットにした2kgの「ハイキャスト・ブラック」を購入した。
ポットの熱湯で「チューインガム」のように柔らかく
90℃の熱湯でグニョグニョに柔らかくなる型取くん。PP製容器(耐熱120℃)に給湯ポットの熱湯を注ぎ入れて作業開始。熱湯で火傷しないように注意しよう。1分程度待てば型取くんは柔らかくなる。箸で取り上げて、熱さを我慢しながら指先で練って「型取り作業」開始。冷えるとすぐに固まってしまうので手早く作業しよう。温めた型取くんを練り込み柔らかくなったら純正部品の樹脂製燃料コックレバーを挟んでグイグイ指先で押してエアー抜きを行なう。エアーが噛み込んでしまうと、注型⇒脱型後の仕上げ作業が面倒になるので、この型作りは慎重かつ丁寧に。
複製元の部品を包み込んだ「型取くん」
蛍光灯にかざして半透明の型を目視確認し、エアー噛みが無いかしっかり確認しよう。冷えると固まってしまうので、温かいうちに作業を終えたい。割り箸を使って樹脂注入口を作った。思い通りに作業が進んだので、冷たい水の中に型を沈めて強制的に冷やした。自然冷却でも良いようだが、特に、強制水冷でもなんら問題は無いようだ。せっかちさんは水冷で冷やそう。冷えるとカチカチに固まるので(それでも弾力性は残っている)カッターの刃先で部分的にカットして元型を抜き取る。完全な2分割型にしないように要注意!!後々の抜きやすさを考えながらカットラインを決めよう。レバー部分を指先でつまみながら中央部分をカット。切り口を開いた状態で元型をスムーズに取り出すことができた。弾力性があるのでカット部分を開いても自己復元してくれるが、開き過ぎないように要注意。