50代夫婦、家賃「月9万円」の賃貸暮らしです。老後のために、今からでも「持ち家」を購入すべきですか? 年金の見込みは「月19万円」で貯蓄は「700万円」ほどです。高齢者は賃貸契約を断られると聞きました…
退職金には頼れない。住宅ローンは大きな負担に
しかし、老後に月9万円超の返済をし続けられるかが問題です。貯蓄700万円を頭金に使ってしまうと、その後の貯蓄がゼロか少ない状態のまま定年を迎える可能性が高いです。定年時に退職金が支給される場合でも、平均的な金額は大企業であれば2500万円程度、中小企業の場合は1000万円程度です。 また総務省の「家計調査年報(家計収支編)2023年(令和5年)」によると、65歳以上の高齢者夫婦無職世帯の場合、生活費の支出は25万959円(うち住居費は1万6827円)、非消費支出は3万1538円、合計で約28万円かかるそうです。 夫婦2人の年金収入の見込みを19万円とすると毎月約9万円の赤字が発生し、その補填に退職金のほとんどを使う可能性が高くなります。そうなると、住宅ローン約9万円の支払いが相当の負担になることが予想されます。
まとめ
老後に住まいがなくなる不安を持ち続けるのはつらいでしょう。しかし、持ち家を購入したために多額の借金を返済することも大きな負担になります。 本当に持ち家という選択がよいのか、賃貸と比べてどちらの負担が少ないかを検討したうえで、持ち家を取得するならローンの返済可能額など老後の家計設計を明確にしてから決断するようにしましょう。 出典 内閣府 高齢者の住宅と生活環境に関する調査(平成30年度) 株式会社R65 65歳以上が賃貸住宅を借りにくい問題に関する調査 総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2023年(令和5年) 執筆者:根本由佳 FP2級、中小企業診断士
ファイナンシャルフィールド編集部