50代夫婦、家賃「月9万円」の賃貸暮らしです。老後のために、今からでも「持ち家」を購入すべきですか? 年金の見込みは「月19万円」で貯蓄は「700万円」ほどです。高齢者は賃貸契約を断られると聞きました…
定年が近づき老後のことを考えるようになると、このまま賃貸で暮らせるのかと不安になる人は多いと思います。 内閣府の「平成30年度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査」によると、60歳以上の人で、将来の住まいに関して不安を感じたことがあると回答した人は、持ち家に住む人が24.9%だったのに対し、賃貸に住む人は36.5%とあり、賃貸暮らしの人のほうが多く不安を感じているとのことです。 本記事では、高齢者の賃貸入居拒否の実情と、50歳を過ぎてから持ち家を購入する場合のローン返済や老後の家計について解説します。 ▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
高齢者の4分の1が「入居拒否経験あり」
前述の内閣府の調査で、将来の住まいへの不安を挙げた人で賃貸に住む人のうち19.5%が「高齢期の賃貸を断られる」ことを不安に感じています。 また高齢者のための賃貸情報サイトを運営する株式会社R65が行った調査によると、65歳以上の人で「賃貸住宅の入居を断られた」経験がある人は23.4%で、約4人に1人という結果でした。 賃貸物件では多くの場合、2年に一度の契約更新があります。そのため、更新の時期が近づくと「次も契約できるだろうか?」と不安に感じることになるかもしれません。
一戸建てを買うとしたら住宅ローンはいくら組める? 頭金は?
もし50代から一戸建てを買おうとしたら、住宅購入に必要なお金はどうなるのでしょうか? 現在の貯蓄700万円をすべて頭金とし、残りを住宅ローンなど借入金でまかなうとします。一般的に住宅ローンでは、申込時は「満65歳~70歳未満」、最終返済時は「満65歳~70歳未満」「80歳未満」というように、上限が設けられています。まだ50代であれば、多くの金融機関で申し込むことが可能だと考えられます。 住宅ローンに対する頭金の目安は購入物件の20%で、購入に必要な諸費用およそ5%を足した25%程度を準備しておくと安心です。 頭金目安額の700万円から逆算し、ここでは3500万円の物件を購入すると仮定します。仮に購入額3500万円に対し頭金700万円で、2800万円のローンを組み、条件を「30年・固定金利1.5%・元利均等方式(毎月の返済額が一定になる方法)」とすると、毎月の返済額は9万6633円となります。現在の家賃9万円と月々の支払いはほぼ同額で、持ち家を手にすることができます。