アウトドアグッズで災害時の臨時ライフラインを確保 ― 用意しておくと安心な基本用品を専門家が解説
「携帯用の浄水器」があれば備蓄する水の量を減らせる
寒川さん: 一般的に、防災のために1人につき1日3リットル×日数分の飲料水を備蓄しようと言われています。しかし、家族分用意するのは大変ですし、実際災害が起きるとそんな日数でおさまらないことも多いんです。しかも、水は重いので、避難しなければいけないときに簡単に持ち運べません。 僕は大量に備蓄する代わりに「浄水器」を用意しています。最近は手のひらに入るくらいのサイズの浄水器があるんです。川の水や雨水、お風呂にためておいた水を浄水して、飲用水に変えることができます。中には細菌や雑菌、ウイルスなども除去してくれるフィルターが搭載されているものもあり、清潔な水が手に入らない状況でも安心して使えます。 私が持っている浄水器は、38万リットルの浄水力があるもの。仮に1日10リットル浄水をしたとしても100年以上使える計算です。しかも、数千円で手に入る。僕は数個購入して車の中や避難用のバッグの中にも入れています。 他にも浄水の仕方はあります。ただ、水はやはり自分の体内に入れるものですから、安心安全なグッズを使ってほしいですね。浄水器を選ぶ際には、どういったものを除去できるのかをしっかりと調べて見極めましょう。 避難生活で水のストックがだんだん減ってくると、家族に対して「そんなに水を使うな」って言いたくなるし、ケンカになってしまうかもしれません。備蓄している水にプラスして、浄水器で飲料水を「補充できる」アイテムがあると心持ちが全く違ってきますよね。
身の回りの資源を活用して「火」や「電気」を確保
――体温保持や水分確保以外に、ライフラインとして欠かせない「火」や「電気」はどのように確保すればよいでしょうか。 寒川さん: 僕らは外で火を起こすとき、2通りのものを使います。 まずは、ご家庭用のお鍋などで使うカセットコンロのガスボンベを使うバーナーですね。五徳に鍋をのせても安定して使えるものを選ぶと良いでしょう。ただ、ガスボンベは使えば使うほど減っていきます。ライフラインがいつ復旧するかわからないと、このガスボンベをどれくらいのペースで使えばいいかわかりません。実際、東日本大震災や熊本地震のとき、ガスが復旧したのが平均5週間後。食事を1日3回作って煮炊きしたら、あっという間にガスボンベはなくなってしまいます。