<ボクシング>村田諒太 プロ2戦目勝利の意義
村田の現在地をどの視点で切り取るかで、この日の試合の評価は変わると思う。 まだプロ2戦目という視点ならば、本田代表の言う通りに満点だろう。しかし、デビュー戦で東洋王者を戦慄KOで葬った元金メダリストを見る目はおのずと高くなっている。 ■課題も多く残されたプロ2戦目 元WBA世界Sフライ級王者の飯田覚士氏も「2戦目の経験という意味では収穫はあったと思う。ただ高いレベルで見させてもらうならば、下半身が突っ立ってしまい、足を使う相手を追うことで、さらに腰が浮いてしまっていた。その影響からかパンチに体重が乗らなかった。当てっているのに倒さなかったのは、それが原因だと思う。しかも、攻撃が単調で相手に読まれやすかった。攻撃にバリエーションがあれば“効かすパンチ”に変えることができたと思う」と分析していた。 金メダリストはつらいよ!という世界観だが、そういう目で見られるボクサーも村田しかいないのだが、その置かれた立場を意気に感じればいいのだと思う。一方で対戦相手のアメリカ人は、こんな言葉を残していた。 ■将来、世界ランカーになるボクサー 「パワーで言えばこれまで私が戦ってきたボクサーの中で村田が一番だ。間違いなく近い将来、世界ランカーになっていくボクサーだと思う。そのときは、ぜひ私とリマッチをお願いしたい」 プロの洗礼を受けた村田の第3戦は、来年2月22日、あの6階級王者、マニー・パキャオが復帰戦を行なったマカオのカジノホテルのリングである。 (文責・本郷陽一/論スポ、アスリートジャーナル)