ウォルマートの気象学者トム・ベダードさん。

アメリカでは本格的なハリケーン・シーズンを迎え、ウォルマートの緊急対応チームはフル回転だ。 【全画像をみる】ハリケーンが迫ってきた！ ウォルマートの気象学者は災害対策をリードする ハリケーン「ミルトン」のような暴風雨への同社の対応をまとめているのが、トム・ベダードさんだ。 人々の安全を守るための情報提供など、その仕事内容についてベダードさんに話を聞いた。 ウォルマートの気象学者トム・ベダードさんの「曇りの日」は朝の3時45分頃に始まる。 テキサス州出身の32歳のベダードさんは、沖合で暴風雨が発生しつつある時はこのくらいの時間に起きて、国立ハリケーンセンターが発表する午前4時の情報 ── 暴風雨が追跡されている間、毎日6時間おきに配信される情報のうち最初のもの ── に目を通しているとBusiness Insiderに語った。 2週間前にはハリケーン「へレン（へリーン）」がアパラチアを襲い、今週はハリケーン「ミルトン」がフロリダ州に上陸、フロリダ半島を横断した。 全米に5200以上の店舗を展開するウォルマートにとって、悪天候は大きな懸念材料だ。ハリケーンシーズンなら、なおさらだ。 ベダードさんがウォルマートに加わったのは、ハリケーン「イダリア」 ── 2023年にアメリカに唯一上陸したハリケーン ── の直後で、AccuWeatherで6年、National Disaster Preparedness Training Centerで5年の経験を積んだあとのことだった。 現在、ベダードさんは店舗運営や物流など、ウォルマートの各部門にまたがる10の緊急支援グループを率いる責任者を務めている。 「現場のためにやっていることが1つの声で伝わるように、わたしたちは事業部のさまざまな部署を横断して調整してきました」とベダードさんはBusiness Insiderに語った。 「わたしたちには何よりもまず、従業員の安全を確保し、避難区域に施設があれば、従業員が適切な行動を取っていることを確認する責任があります」