加速する“前髪命”カルチャー、アイドル・美容系YouTuberの影響で「前髪クリップ」も定番化 立役者は意外な企業?
2010年代ころから、若い女性の間でかつてないほど重要度を増した“前髪”へのこだわり。ある調査では、実に8割以上が「前髪がきまると自己肯定感が上がる」と回答したほどだ。スタイリング剤やヘアアイロンといった前髪専用アイテムも増えているが、中でも「前髪クリップ」という商品はここ10年ほどで一気に定番に。その普及に貢献したのは、日本のカワイイ文化を牽引してきたあの会社だった!? 前髪がうねりがちな梅雨に、昨今の“前髪命”カルチャーについて深掘りしてみた。 【画像】衝撃!“あそこ”もしっかり再現…可愛すぎるサンリオ前髪クリップ ■AKB48から美容系YouTuber、そしてすべての女子へ…メイクよりも“前髪命”が常識に かつて前髪への強いこだわりを公言していたアイドルといえば、元AKB48の渡辺麻友さんだ。どんなに激しく踊っても乱れない完璧な前髪で知られた彼女だが、「前髪のスタイリングだけで2~3時間かける」と明かし、メンバーを驚かせたこともあった。 それから時を経て、今や“前髪命系女子”はアイドルだけではなくなった。ヘアスタイルの中でも、なぜピンポイントに前髪にこだわるのか? その答えを示唆するような調査を、ヘアケア剤を展開するメーカー・マンダムが2020年1月に行っている。 同社が15~29歳女性を対象に実施したアンケートで、「SNSにアップする写真を撮る前にやること」として「前髪を整える」と回答した人は74.7%。これは次点の「リップや口紅を塗る」(56.3%)よりもはるかに多かった。理由として最も多かったのが「前髪で印象が変わるから」というものだが、中でも目からウロコだったのが「髪型は画像加工がしにくいから」という回答だ。 最近ではリアル嗜好も出てきたものの、若い女性にとって、ビューティ系カメラアプリで写真を撮り、さらに画像加工をした上でSNSにアップするのは常識だ。後からいくらでも修正できる肌感やメイクに対して、髪型、特に顔の印象を左右する前髪はカワイイを作る、いわば最後の聖域なのだ。かくして美容系YouTuberはこぞって前髪テクを発信し、SNSにも“#前髪命”のハッシュタグ付き投稿が数多く見られるようになった。