センバツ・札幌第一 第2部/上 勝利へのチーム作り 競争意識持ち一丸 全員で練習、活気あふれ /北海道
<第91回選抜高校野球> グラウンドに雪が降り積もる冬期間、札幌第一の選手たちは高校の敷地内にある室内練習場で汗を流す。 練習のメニューは分刻みで細かく決められ、選手たちはそれぞれを時間通りに進めるため、すばやく準備、片付けをし、次の練習へと移っていく。気合を入れるための声出しも忘れない。緻密ながら、いつも活気にあふれているのが第一の練習風景だ。 この時期、これまでは選手をA、B、Cの三つのグループに分けて練習していた。室内はスペースが限られるため、3グループが別々のメニューに取り組むことで、効率化を図るのが主な目的だったという。 今シーズンも総勢47人の選手を抱え、いったんはグループ分けしていた。しかし、1月の中旬、菊池雄人監督の指示で練習の仕方を大きく変更。グループ制を撤廃し、全員で取り組む全体練習を基本としたメニューに切り替えた。 菊池監督は「全員で支え合うのが一高の野球。それはずっと変わらない。チーム全体の力で勝ちを作っていきたい」と変更の狙いを説明する。 飯沢航マネジャー(2年)は「確かに分けた方が効率よく練習できていたが、メニューを切り替えてから、全員で取り組む雰囲気が大事だということに気がついた」。副主将の村田凜選手(2年)も「大人数で同じ練習をやるようになり、声の大きさも変わって、一体感は増した」と効果を実感する。 昨秋には登録外だった選手たちも、ベンチ入りを目指し、努力を重ねている。 第一の持ち味である打撃の練習には「通常打ち」と「振り込み」がある。通常打ちは全員するが、振り込み練習は選ばれた12人だけが重点的に取り組む。内容に大きな差はないが、打撃練習により長い時間をかけられる点に違いがある。 ベンチ入りを目指す二塁手の水野啓佑選手(2年)は「まずは振り込み練習に参加したい」と話す。村田選手ら、うまいと思う仲間の練習を参考に、下宿に帰ってから、部屋の中でバットの動きを確認することもあるという。水野選手は「監督は部員全員を満遍なく見てくれる。目に留まるような技術を身に着けられるよう頑張りたい」と意欲を示す。 全員が競争意識を持ち、一丸となって勝利を目指す姿勢が、チーム力を高めている。【土谷純一】