国民・玉木雄一郎はなぜいま叩かれる?「手取りを増やす」がぶち破るべき本質的な「130万円の壁」とは
■ 国民民主との政策協議が進まない背景にある石破首相のご性格 おそらく、自由民主党も公明党も、一部政策協調を前提とした部分的な連合を国民民主党との間で結べることを念頭に諸条件を調整していくことになるでしょう。 ところが、目下自民党では、石破茂さん本人のご性格によるものなのか、着地点の指示において不透明感が増しており、各党による幹事長と国対委員長の2プラス2みたいなのをやっても具体的な政策の内容で条件交渉を落とし込めないという割と厳しい状況になっています。 これは、そもそもが「10月27日の自公過半数割れ後、28日に石破茂さん森山裕さんが責任取って勇退」という道筋をつけなかったばっかりに、少数与党の路線のまま特別国会の日取りを決められず、先にアジア太平洋経済協力会議(APEC)や各国首脳会談など外遊日程が入ってしまっていることが影響しています。 言い換えれば、石破茂さんもご本人のご性格として「これをやれ」「頼む」とはなかなか仰らない善良なお人柄であるのも相まって、泥船待ったなしの石破茂政権の当面の存続のために国民民主党との政策協議や実質的な橋渡しで足元で汗をかく人が周りに不在である、ということに尽きます。 なにより、来年7月に控える参議院選挙と東京都議選において、少なくともいまの石破茂さんを選挙の顔に立てて戦うということは考えづらく、また、少数与党であることを鑑みても、国会運営で紛糾し、総辞職とバーターに年度末に予算案を通すみたいなムーブになることも想定されます。 そういう沈むことが約束された泥船のような石破茂政権で、重要な税制をいじるような政党交渉が簡単に着地させられるわけがありませんし、前述の130万円年金の壁や、3号被保険者の一部廃止など社会保障改革の入口にかかわるような大きな制度変更を責任もってできる体制にはならないでしょう。 泥船でも曲りなりに浮かんでいれば給与法や補正予算ぐらいは野合でなんとかなるかもしれませんが、年間負担120兆円をはるかに超える社会保障を睨みつつ中長期的な対応を必要とする改革案を石破政権で着手することは極めて困難であると言えます。 また、友党・公明党も代表の石井啓一さんが選挙区での落選や選挙での敗北を受けて代表をスピード辞任されてしまいました。自民党としても巻き込んでしまって非常に申し訳ない気分でいっぱいでしょうが、石破政権もこのような状態ですし、なかなか打開策を見つけるのも難しい段階ではないかとも思います。