【解説】「マイナンバーカード」トラブル続出 “人為的ミス”や“システムに問題”… 個人での対策も
日テレNEWS
今、マイナンバーカードを使ったサービスでトラブルが続出しています。松野官房長官も24日午後に「国民の皆様の信頼を損なう重大な事案で大変遺憾」だと述べる事態になっています。 ●「医療情報」も流出 ●なぜ? 別人とひも付け ●“一斉点検”で防げる? 以上のポイントを中心に詳しく解説します。
■相次ぐトラブル 「やっぱり起こるんじゃないかなと」
現在、日本の人口の約80%、9700万人がすでに申請している「マイナンバーカード」で次のようなトラブルが相次いでいます。 (1)「マイナ保険証」で別人の情報を誤登録 (2)公金受取口座で他人の銀行口座を誤ってひも付け (3)他人の証明書が印刷された この事態を街の人はどう見ているのか…。 マイナカードを持っている人 「ドキッとはしましたけど、様子見という感じ。安心して使えるようにしてほしい」 「怒り心頭ですね。個人情報を扱うのに、あまりにも無神経というか」 マイナカードを持っていない人 「やっぱり起こるんじゃないかなと思っていた」 マイナカードを申請中の人 「そんなことあるんだって思いました。そういう不具合が起きるんだったら、(申請に)行かなくてもよかったかも」
■マイナンバー保険証の誤登録「去年11月までに7312件」 “同姓同名”でも…
何が起きているのか、「マイナンバー保険証」の問題から解説します。 政府は来年秋にこれまでの保険証を廃止し、原則すべての国民がマイナ保険証に切り替えることを目指していますが、トラブルも発生しています。実際に起きた事例を元に見ていきます。 「Aさん」が自分の保険証の情報を調べようとマイナンバーカードを使ってスマートフォンで情報を開いたところ、なぜか赤の他人である「河出○○さん(仮名)」の情報が出てきてしまったということです。 そこには「名前・生年月日・性別・住所」に加え、「受診歴や薬などの医療情報」まで閲覧できる状態になっていたといいます。重要な個人情報が漏れてしまっていたわけです。こうした誤登録は、去年11月までに7312件も確認されています。 しかも、厚生労働省は今年2月の段階でこれを把握していますが、加藤厚生労働相が全国の健康保険組合に「総点検と報告を求める」と明らかにしたのは5月23日になってからでした。 誤登録はなぜ起きたのでしょうか。 マイナンバーカードをマイナ保険証として使うためには、「マイナンバー」と「保険証の情報」をひも付ける作業が必要で、その作業は保険証を発行するそれぞれの「健康保険組合」が行っています。 「Aさんのマイナンバーがわからない」といった時には、担当者が住民基本台帳のデータベースから“取りに行く”手間が発生します。この時、“誤ったマイナンバー”を登録してしまい、別人の「河出さん(仮名)」の情報をひも付けてしまうというミスが起きたということです。 本来であれば氏名だけではなく、「生年月日・性別・住所」といった情報を付き合わせて、間違いが起きないように確認しなければなりません。しかし、「Aさん」と「河出さん(仮名)」が例えば、「同姓同名」だった場合などに誤登録してしまうケースがあるそうです。つまり、“人為的ミス”によって起きたということです。