「3.11」を改めて語り合う“お互い様”の関係 震災支援者らが見る被災地
「ありがとう」を伝えられない違和感
キャンドル・ジュンさんは支援活動を続けていく中で、被災者が「助けてもらったことの違和感みたいなものを感じているんじゃないかと思うときはある」と言います。 「東日本大震災では本当にたくさんのボランティアの人たちが来ました。名乗りもせずに去っていった人もたくさんいます。でもそれが“ありがとうを言えない気持ち悪さ”になっているんじゃないかと思うんです。あれは何だったんだろう? って。かつて訪問した方に手紙を出してみたり、遊びに行ったり、震災復興支援って一方通行だけではなく、“お互い様”なることが精神的ケアとしても必要なんじゃないかと思います。そうじゃないと、当時多くの方々が口にした『絆』になりません」 “一方通行”ではなく“お互い様”の関係。6年前の震災直後、日本中で連呼された「絆」。それは、被災地の住民との直接的な繋がりだけではなく、私たち日本中の国民が「3.11」について改めて語り合うことでもあるのかもしれません。 (ライター・宇城健弘)