高校生が化石レプリカ作製 福島・塙で発掘のクジラ、3Dプリンターで印刷
白河実高3年の穂積虎太郎さん(17)は、福島県塙町内で2006年に発掘された、ハナワクジラの耳の骨の化石のレプリカを作製し、町など3カ所に寄贈した。化石は研究のため一般公開されておらず、レプリカを通じて広く知ってもらおうと製作。穂積さんが通う同校塙校舎は来年3月で閉校舎となることから、穂積さんは「恩返しの気持ちを込めた。地域の知名度アップのために活用してほしい」と願う。 ハナワクジラの化石は筑波大や発掘した同町の藤田礦(こう)業が保管。県立博物館などで展示されることもあったが、普段は研究に使われており公開されていない。 穂積さんは、総合的な探究の時間を利用し、ハナワクジラの化石について研究。「貴重な耳の骨を町内の人たちに知ってもらおう」とレプリカ製作を決めた。
「地域貢献できてよかった」
藤田礦業や県立博物館、県ハイテクプラザの協力を受け、CTスキャンした化石のデータを3Dプリンターで印刷して完成させた。「3Dプリンターの使い方などを一から学んだので大変だったが、ここまで本物に近い物になるんだと驚いた」と、納得の作品を作り上げた。 穂積さんは「町に対して何かできることはないかと考えていた。このような地域貢献ができてよかった」と語った。 レプリカの贈呈式は4日、塙町役場で行われた。穂積さんが宮田秀利町長、藤田礦業の藤田英留社長、県立博物館の猪瀬弘瑛主任学芸員にレプリカを手渡した。宮田町長は「心のこもった作品を庁舎で末永く展示していく」と感謝した。町では、庁舎内にレプリカを展示するという。
福島民友新聞社